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81.




殿下の方も挨拶回りが終わって合流していつものメンバー。


「そう言えば、リリアナ嬢は今年は何を用意したんだ?」

「申請に時間がかかりましたが、昨年よりきれいですよ」


婚約者だからなのかそれとも殿下だからなのかは分からないけれど、リリアナは毎年プレゼントとして魔法を披露する。去年は確か、大量の水でパレードをしてみせたんだっけか。あの量を緻密に操作するって、普通不可能なんだけどな。


「もう二度とやりたくない……」

「ゼクト、素が出てるよ」

「大丈夫です。来年はもっと上手くやりますから」

「やらないでくれって言ってるの分かります?」


魔法に関してはリリアナ止まらないから大変そう。その分何をしてくれるのか楽しみにもなるんだけどさ。


「姪、そろそろやるぞ。維持が面倒」

「いつも助かってますよ」


維持って、魔法陣だよね。リリアナも先生も普段使ってないのに、今回は使ってるのかな。珍しい。


リリアナに言われて外に出るけど、何をやるのやら。


「今年はかなり手間取りましたが、かなりの仕上がりになりましたよ」


そう言って、手のひらサイズの魔法陣を作り、魔法を発動するリリアナ。少しすると、空には流星がいくつも現れて。


「……流星を再現したのか」

「これ、幻影魔法?」

「いえ、実物ですよ」


へぇ、実物………本物!?

いや、確かに流星って宇宙にある小さな塵とかが落ちてきてなるやつだけど、あれ秒速数十キロメートルとかいうバカげた速度で大気圏に突入しないとできないからね?


「だから時間がかかったってことか……」

「魔法陣わざわざ使ってまでやったからな」

「維持ダルかったしね~」


二人に頼むって、なんか面倒なこと要求されそうだけど大丈夫なの?


「今度、魔法の実験手伝うことで手を打ってもらってます」

「……ちなみに、これどのくらい続くの?」

「さぁ?」


さぁって、さぁってあんたさぁ。自分の魔法なんだからちゃんとそこんとこ把握しなさいよ。


「魔法陣の大きさ的にあと一分足らずで終わりますよ」

「なんでリリアナよりゼクトの方が把握してるかは置いといて、ちゃんと結界は張ってるよね?」

「張ってますよ。メリアたちが」

「リリアナちゃん、メリアが一番ダメだと思うんだ。せめてユートくんにしようよ」


不安なんだけど、大丈夫か?


「大丈夫ですよ。メリアはやる気がなくてサボりクセが酷いですが、信頼できますから」

「今のですごい不安だよ」


なんでこういうところは適当なの。ちゃんとしてよリリアナ。






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