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71.




いろいろと聞きたいことはあるけれど、聞きにくい。


「……一応聞くんだが、リリアナ嬢は持ってるということでいいんだよな」

「えぇ。直接いらしてくれましたから、そのときにいただきました」

「真名は同じ種族同士でしか契約を結ぶことができないってワケだ」


それはたぶん種族間の問題を起こさないためだ。この世界、獣人とかも普通にいるし、真名を使って奴隷のように扱ったりする可能性は充分ある。


「直接来たって言うのは?」

「悪魔の方がいらしたんですよ。いろいろと教えてもらいました」

「へぇ、悪魔………悪魔!?!」


悪魔に会ったって、大丈夫なのかそれは。この世界の悪魔がどんな感じかは分からないけど、危なくない?


「ハゼルトに喧嘩売るバカは悪魔だろうといないさ。報復が怖いからね」

「最上位種族もハゼルトは怖いんだね」

「怖いのはハゼルトと契約している者たちですよ」


ハゼルトと契約……。あの、しれっとそういうこと言ってるけど機密とかじゃないよね。そこら辺すごい怖いんだけど。


「一部の方は知ってますよ」

「機密じゃん」


なんで先生たちは止めないの。甘すぎるにも限度があるでしょ。


「別に隠してたワケでもないし、君たちはそう簡単に漏らさないだろ?」

「漏らしたらゼクトが魔法使って記憶消すだけだ」

「俺がやんのかよ」

「ゼクトの精神干渉魔法は強いから……痛いって! 叩くことないじゃん!!」

「精神干渉系はグレーだから隠してるって言われてたのに、バカなんですかあなたは」


精神干渉魔法。国によっては違法魔法であり、闇属性に分類されている。言ってしまえば洗脳だし、魔力があればあるほど強力なものだから、国のトップを操る、なんてことがあったら大変だ。この国ではパニックになったときに人を落ち着かせるためとか医療で痛みを感じにくくさせるなどの魔法は許可されている。


「昔はそんなの気にせずバカみたいに使ってたじゃん!」

「あのゴミどもにはいいんだよ」

「一応我が家の使用人だから、ゴミ扱いはやめてくれないか?」

「一応って言ってる時点でお前もお前だからな」


ユラエスまでそれだとダメでしょ。リリアナに関してはそんなのここにはいませんよみたいな顔をしないで。


「使用人の治安はハゼルトが一番なんだよなぁ」

「上がダメだと下はまともになるからね」

「なんで再従兄様(おにいさま)は私の方を見て言ってくるんです」

「いやぁ? 一番まともじゃないのにまともぶってるのがいたから」


リリアナはまともな方なのでは。まともではないけど、ハゼルトだと一番まともと言うか。やっぱり長く一緒にいると違うのか?


「リリーちゃんってそんな変?」

「少し常識外れなところはありますが、そんな風には感じませんね」

「ハゼルトの権力最大まで使って人を脅すのがまともとか嫌なんだけど」

「失礼ですねぇ。あれはそちらが先に喧嘩を売ってきたのでしょう?」


あの、ここで喧嘩はやめてね?






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