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66.




息苦しくなって目を開けると、そこは水の中だった。あのとき強く身体を打ち付けたと思ったのは高所から水に落ちたからか!


「……っ、リリアナ!」


急いで水面に顔を出してリリアナを探す。上がってきてない。気を失って沈んでる可能性もある。私が軽傷なのはリリアナが守ってくれたからなのか?

急いで潜り、リリアナを探すと、下にある木の根に足が絡まった状態で意識を失っているリリアナがいた。


「…!!」


頑張って木の根を退かそうとしていると木の根が斬れる。上を見てみるとリヴァイアサンがいて、どうやら水で斬ってくれたらしい。

急いでリリアナを連れて浮上するけど、どこかに上がって水吐き出させないと危険すぎる。


《こちらに足場がある》


リヴァイアサンのあとを追って泳いで行くと、小さめの島のようなものがあった。どうしてあるのかは謎だけど、今はそんなこと言ってる場合じゃない。

急いで上がって、リリアナを起こそうとするけれど、このくらいで起きるならとっくに起きてる。


《娘、魔力を流せ》

「それ死ぬでしょ。他人の魔力は毒だって」

《荒療治だがこの娘ならば魔力に反応して起きるかもしれん》


やってみるしかないか。リリアナの手を握り、魔力を流すイメージをする。ゆっくり、一気に送らないで少しずつ……。


「ッ!!」


リリアナから魔力が逆流してきて手を離す。ヒリヒリする。攻撃された? 無意識下で防衛してるのか。

リリアナの方を見ると、激しく咳き込んで肺に入ってしまった水を吐き出している。


「アイリス、様……すみませ…」

「私は大丈夫だから息整えて」


それにしてもなんで急に私たちだけ落ちたんだ。それに、ここはどの辺りなんだろうか。

私たちが落ちたのは地下湖のようで、湖の中央には、天井に届きそうなほど巨大な樹木と、蒼く光る結晶があった。


「リリアナ、あれ」

「…………どうやら、かなり深いところまで落ちたみたいですね」

「リリアナが言ってたやつではないよね」


リリアナが言うには、あの結晶は【青の奇跡】という結晶であり、リリアナの言っていた【白き純潔】と近しいモノらしい。


「樹木は彼らとリンクしているもので、命そのものと捉えてください」

「じゃあ、あれが枯れたら」

「死にますね」


彼らというのが誰を示しているかは分からないけれど、たぶん人ではない。あるとすれば最上位種族か、それこそ前に話していた神々。


「リリアナはなんでこれを?」

「……確かめたいことがあったんですが、無理そうですね」


確かめたいこと……。なんだったんだろう。リリアナが何も言わずにこういうことするの稀だろうし、気になるけど。


「とりあえず、上に行きましょうか」

「それはいいんだけどさ……」


私たち、服も髪もびしょ濡れなんだよね。この状態でみんなに会うのは結構問題だと思うんだ。ちょっとところどころ透けてるし。






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