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…………リリアナ、今なんて言った? 孫離れ? 孫ってリリアナが? じゃあ校長先生はリリアナたちのおじいちゃんってことだよね。でも、そんなこと聞いたのとないし、確か両方とも……。
「正確には十代ほど前のハゼルトのお方で、面倒だから孫と祖父という感じで話してるんだ」
「十代も……。え、なら」
「もう千を優に越えた老骨よ。儂はハゼルトでは珍しく、他者への関心が強くてね。先代校長に頼み込んで教師の真似事をしていたら後釜になっておったわ」
笑いごとではないんですよ。十代前って、どんだけ生徒見送ってるんですか。そりゃあ先生たちも強く言えないよ。ご先祖だし。リリアナと仲良さげなのもそれが理由だったのね。
「シー坊、メル坊。姉上は元気かの?」
「ついこの前、引退したのに上が問題起こすからってまぁた呼び出されて元気に声を響かせてたよ」
お姉さんが魔術師。引退したってことは、メルトさんの前任者の方だよね。あの、誰かを魔術師にするために引退したっていう。
「それでお話とは? わざわざお兄様たちも集めて」
「ハゼルトの血が濃いお主が友と呼ぶ子たちを見たかったのじゃよ。それに……」
「心配されなくとも、もう壊しませんよ」
「そこはもう心配しとらんよ。頑張っているのは見ていたし、約束を守るのがお主の素敵なところじゃ」
ハゼルトの人たちって頭撫でるの好きなのかな。先生もメルトさんもリリアナの頭をよく撫でてる気がするし、校長先生も撫でてるし。
「スキンシップがお好きなの?」
「普段周りから遠ざけられてるから逃げないリリアナを撫でてるんだよ」
「ユラエスが触らせてやりゃいいじゃん」
「俺相手だと容赦がない」
たぶん先生たちに聞こえてるよ。というか、撫でるときの力に関してはたぶん先生たち適当だからリリアナも結構強いと思うけど。
「魔力で守っとかないと普通に痛いです」
「え、そうなの? 何も言わないからちょうどいいんだと思ってた」
「一回同じ強さでやってさしあげましょうか?」
「そう言いながら魔法使おうとするなよ」
あの、話が逸れてます。そもそもで本題に行ってなさそうだけども。
「近頃物騒なことが多いじゃろう」
「あら、我々の周りが物騒などいつものことではないですか」
いつものことじゃダメなのよ。それがいつもなのはおかしいことに気づいて。リリアナは何か恨みでも買ってるの?
「それで? 何がお望みなのですか」
「お主のところのを三名ほど借りたい」




