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45.




あのあと勉強会は先生乱入で終わり。時間はすぐに過ぎていき、あっという間にテストとなってしまった。


語学、数学、物理、地理、歴史、文化、経済、魔法学、薬学、ダンス、音楽、礼儀作法、魔法実技、実技、そして最後は魔力測定と言う地獄の科目数。


計十四教科と魔力測定を五日間に分けての実施。なんで魔法世界に物理の教科があるんだよというツッコミに関しては、魔法で起きる熱エネルギーなどを使うことがあるからとだけ。魔法世界で物理なんて聞いたことないけどね。


「もう無理ぃ~!!」

「まだあと半分ありますよ」


現在テスト三日目が終わった。もう疲れたよ。多いんだよ教科数が。


「アイリスの苦手科目が集まったよねぇ」

「本当にね?」


理科科目は前世から苦手なんだよね。溶液のやつとか無理すぎて毎回捨ててた。


「リリアナぁ、助けてぇ」

「夜中に叩き起こしてきた人に教えることはありません」


クロフィムはどうやら王太子殿下に平均値八十は取ってねと言われたらしく、取れなかったら夏休みはしばらく勉強漬けになるらしい。だからと言ってリリアナのところに夜中行くのは違うけどね。


「そもそも、どうやって入ったの」

「昨日勉強のために泊まったから」


再従兄妹じゃなきゃ裁判だよ。あんた人が寝てる部屋に勝手に入ってるからね? 何より身内と言えど女子の部屋。


「あと何あるんだっけ」

「語学、文化、歴史、魔法実技、実技、魔力測定」


なんで実技二つを最終日にまとめたんだか。鬼かなこの学校の教師。……いや、鬼がいたな一人。


「私なんてオリヴィエ様に実技で指名されて剣ですよ?」


実技テスト、女子は弓で男子は剣と決まっているのだけれど、騎士をやっているオリヴィエさんは特例で男子に混ざって剣。なのにそれに巻き込まれてリリアナだけ今年は剣となって相手はオリヴィエさん。圧倒的に不利すぎる。


「大丈夫なのか?」

「一応ゼクトたちに混ざっていたので嗜み程度はできますが……」


普通の令嬢は嗜み程度にできないんだよ。本当にどんな教育してるのハゼルトは。


「オリヴィエさんは元々騎士になれない予定だったのをハゼルト侯爵が無理やりさせましたしね」

「彼女は侯爵のお気に入りだからな」


女性貴族は本来なら騎士にはなれない。騎士の家系であろうともだ。それなのにオリヴィエさんが騎士をしているのは先生がオリヴィエさんを無理やり騎士団に入れたからだ。というのも、オリヴィエさんはどうやら祝福を受けているらしく、神獣種を出せたのもそれが理由らしい。そんな祝福持ちを腐らせるつもりかと先生が皇帝陛下たちに抗議。ニーチェル公爵も先生側に付いた皇帝陛下たちが勝てるワケもなく、オリヴィエさんは騎士団に入ったんだとか。


「ハゼルトってさぁ」

「やっぱりその、マイペースというか」

「暴君……?」

「まともに伯父様と対話できない陛下たちも問題なんですけどね」


よくそれで先生たちが好き放題しなかったよね。この国、ニーチェル公爵いなかったら終わってたかもってくらいニーチェル公爵頼りにしてるよね。






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