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37.




守護獣の件から数週間が経ち、もう五月。日本じゃ梅雨だけどこちらに梅雨前線なんてものはなく、特段かわったことはないけれど、乙女ゲームに準じたこの世界……というか、この学院ではある意味少し特別。今日はゲームの隠し攻略対象が来るのだ。


「てことで、隣国のと神殿が先日見つけたらしい聖女だ」


問題があるとすれば、同時にやってきたゲームにはいなかった聖女。ラテさんと言い、平民の出らしい。このクラスに来たのは聖女として礼儀などを覚えるためなのと、ハゼルトである先生とリリアナがいるからなのだろう。


「リリアナ~、久しぶ……なんで逃げるのさ!」

「距離が近いんですよ。クロフィムくんは」


隣国の第二王子で、隠し攻略対象。それでもって、リリアナの再従兄妹のクロフィム・カドラ・ヤーナルド第二王子。攻略対象全員のルートをクリアすることで解放されるキャラクターで、あともう一人いるけど、あちらは完全運ゲーのため、出会うことはそうそうない。


「聖女様、でいいんだよね?」

「あ、ラテで大丈夫です。貴族の方に敬語を使われるのは違和感なので」

「じゃあラテで!」


ティアナは相変わらずのコミュ力だね。ラテさん困ってるからやめてあげな。


「クロフィムくん、せめて再従兄様(おにいさま)と同じときに連絡してください」

「いつもより速かったじゃん」

「いつも手紙と一緒に来ますからね」


一番迷惑でしょ。手紙の意味がないよ。というか、こう見ると、白髪のリリアナと銀髪のクロフィムが並ぶとかなり絵になる。


「留学はどのくらいなの?」

「一年」

「………ん?」


普通はそういう反応だよね。この世界の留学が基本的に短期留学で、三ヶ月もすれば自国の学院学園に戻るのが普通なのだけれど、友好国なのもあってか、今回は一年の留学。クロフィムと一緒にやってきた彼の兄である王太子殿下はこちらで卒業して自国に戻ったあとは本格的に王位の継承を行う段取り。にしても、反応的にリリアナも聞いてなかったのか。


「あ、そうだ。守護獣おめでと」

「ありがとうございます」

「うわぁ、反応薄い。てか、その表情やめなって」

「わぁ、嬉しいな~」

「ふふっ…」


あぁもう、殿下とエルヴィス笑ってるよ。ラテさんも必死に笑いこらえてるし。棒読みにも程があるって。そして表情死んでるよリリアナ。いつもの笑顔はどうしたの。ちゃんと猫被って。他の人もいるんだから。


「リリアナ、たまに突拍子もないことするからなぁ」

「常日頃迷惑かけてる人が何言ってるんです」

「僕はいーの!」


よくないよ。どこをどう考えたらいいって言ってるのかがまず分からないけど、何もよくないから。






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