229.
遅れてすみません!
「ついでです。解呪もしてしまいましょうか」
「できるの?」
「たぶん?」
リリアナは自信なさげだけど、やってみなきゃ分からないと言ってウサギを出す。何回見てもこれが呪いとは思えないって。ニーチェル公爵のもそうだけど、体積どうなってるのよ。
「できるだけ痛くないようにするからね」
リリアナが解呪を始める。けど、特に変わった様子もなく、ウサギもリリアナを見て、何が起きるのかを見守っている。
「……また堕ちるぞ」
「今いいところだから、黙ってて」
ヴァーミリオンの静止を無視して進めてるけど、ニーチェル公爵もとめようとしてるな。呪いに触れてまた暴走したら大変だもんな。当然と言えば当然だ。
「……見つけた」
リリアナがそう言って解呪を完成させると、ウサギからたくさんの小さな光の玉が溢れ出る。暖かい光。解呪の効果? それとも、また別の何かなの?
「呪いに取り込まれてた魂だ」
「これ全部!?」
「何億年もあればこれだけあるさ」
永い年月ハゼルトを守ってきた呪いと、呪いに取り込まれてた魂。それが大きな力となって、子孫を守り続けてきた。そう考えれば、納得だ。
「ばあさんの息子もいるんじゃねぇの」
「いるんじゃないですか? お母様もいると思いますよ」
「絶対あれじゃん」
魂はリリアナのところに集まったりヴァーミリオンに集まったり。たぶん、昔の人たちなんだろう。一つだけシティアル公爵のところに行ってるのがいるけど、たぶん公爵夫人だよね。
「感動の再会、とは行かないんだよね。これ以上ここには留めておけないし」
「ま、これに関しては仕方ないよねぇ。ほら、帰りな。いつかまた会えるよ」
名残惜しそうに残ろうとする魂もいるけど、仲間と一緒に溶けるように消えていく。成仏したってことでいいのかな。
「ハゼルトの呪いはもうないってことだよね」
「ないですね」
呪いは元々祝福。ハゼルトは最上位種族の祝福を手放したも同然。そこはいいの? 先生たちもだけど。自分たちの先祖が受け継いできたものだし。
「別にいいよ。あれがなくても自分たちは」
「恩恵受けたことねぇし」
ならよかった、のかな? これ以上呪いが原因で死ぬ人もいなくなるし。




