222.
遠くから走ってきてる、というか飛んできてる人は一直線でラテさんの前まで来て抱きつき、勢い余って二人で倒れた。
「なんで勝手にいなくなるんですかぁ!」
「重いから、一回退いて!」
ラテさんが起き上がると後ろにピッタリくっついた。この人男の人かぁ。そして大きいな。身長いくつよ。
「帰ってきてくださいよぉ……」
「一人でできるでしょ。あと、みっともないから泣かないの」
「でも……」
「でもじゃない。自分の年齢考えなさいよ」
ラテさんが年上に見えるけど、言い方的にたぶん年上か同い年なんだろうな。あれだ。犬系男子ってやつだ。
「……あぁ。あのときのいじめられっ子か。ラテが引き取ってたんだ」
「自分より二十以上年上を引き取るっておかしいでしょ」
「精神年齢的にセーフ」
ずいぶんと歳が離れてるご様子で。こっちだと気にならないくらいの差なのかな。
「私とクロくんくらい?」
「それより少し下じゃないかな」
「二十五歳差だっけ」
何その歳の差……。こっちだと普通なの? 人だとかなりじゃない? てかよく親は許可したね。
「普通に四十歳差がありますからね……」
「幅広いね」
「元々長寿なのに加えて老けたりしないからな。気にする奴の方が少ない。アディッサだって軽く億超えてるぞ」
「俺らの周りはだいたいそうだろ……。俺たちが死んだのが何億年前だよって話だし」
そういえば、神話ってめちゃくちゃ昔のやつだもんな。というか、たぶんうちの国ができたのがリリアナたちが死んだ頃だよね。
「リフィアからの頼みであの森の人たちを守りたかったんですけど、そのときから頑固でして……。ちょうどとあるバカが人間と恋に落ちたので、国作れって言ってそこに入るようお願いしたんですよね」
「国の設立の裏側がそれですか……」
「よく戦争中の下でそんなことやったね」
「誰かさんが呪い振り撒いたおかげで戦争終わったぞ」
リリアナがもう災厄レベルのことしてない? 被害出しすぎでしょ。神族だからなのか元【概念】だからなのかどっち。
「バカ真面目で影響されやすいから」
「単純に素直すぎなんだよな」
「ジンたちのせいで暴言覚えたときはどうしたものかと思ったよね」
うん。話逸らした側が言うセリフではないけど、その人放置してて大丈夫? 泣いてますけど。
「放っておいていいんじゃないですかね」
「……虐待?」
「パワハラでしょ」
「違うから」
マジでこの人喋らないし、なんなんだろ。てか、メルフィアスさんたちに挨拶しないのはどうなの? 自国の皇族だよ?




