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22.




【愛し子】。最上位種族からの寵愛を得た人物を指し、恩恵を与えられている人物。そんな人がこの中に?


「【愛し子】は魔力量が桁違いだからな。今回の守護獣召喚は【愛し子】選定もあるんだよ」

「選定の基準はなんなんですか?」

「守護獣。たまに動物種以外のを出すから、それが基準だ」


魔力が多いと先生のイフリートのように、精霊や幻獣と呼ばれる存在を使役する。ゲームでのアイリスも、幻獣種と呼ばれる存在を使役するのだけれど、正直問題はないと思ってる。アイリスが【愛し子】なら、ゲームでその設定が触れられるだろうけど、そんな設定なかったし。


「リリーちゃんは違うの?」

「私はまた別です。ハゼルトは基本的に【愛し子】ではないので」


リリアナじゃなくてかなりの魔力量の持ち主となると、殿下とかだよね。皇族で魔力もすごいし。


「プレッシャーかけるのやめていただいてもいいですか……?」

「あくまで可能性だ。そう気負うな」


そんなこと言われてもですよ。それならいっそのこと言わないでほしかった。私は関係ないからいいけども。


「明日が休みって言うのは?」

「リリアナ嬢は確実にヤバいの出すから、【愛し子】がもう一体出せば会議とかで休みになるんだよ」


そのヤバいのって言うのは、先生と同じタイプのをってことですよね。


守護獣。基本的には【動物種】と呼ばれる狐だったり鷹だったりと多種多様な動物を使役する。ただ、稀に発動者の魔力に釣られて召喚されるのが【神獣種】と呼ばれる存在。面倒なのは、その神獣種の中にも枠組みがあり、国のシンボルなどになっていることが多い【聖獣種】。先生のイフリートのような前世でも結構言われていた【幻獣種】。残りが、他三つと比べものにならない【古代種】。聖獣種や幻獣種は自然を敬い畏れることから生まれた存在とされているけれど、古代種は別格。神様や悪魔の力を顕現したのが古代種と言われている。正確には、力を持て余した存在の魔力貯蔵庫としての役割らしいのだが、それの持つ力は神様や悪魔のもの。


「お兄ちゃんは何が出ると思ってるの?」

「古代種」

「あら、期待されてます?」

「その魔力量で古代種じゃなかったらそれこそ異例だろ」


リリアナの魔力量は私たちと比べたら頭一つ分抜きん出ているけれど、先生と同じ、もしくは少し少ない程度。だから、前例を考えるのならリリアナは聖獣種か幻獣種だと思うんだけど……。


「ハゼルトは常に常識の外にいると思え」

「それ私の前で言いますか?」

「リリアナ嬢はまだシティアルだろ」


まだって、含みある言い方だけど、なんで?


「さて、俺らも始めるぞ」

「え、魔法陣は?」

「自分で作れ」


まず、教えてもらってないんですけどそれはどうすればいいんですかね?






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