211.
「……ヤバいヤバい」
「私を盾にするのやめて?」
何がヤバいのかと思ったけどかなりの魔力持ってる人が四人くらいこっち来てるな? そのうち二人が天界の人だとすると、もう二人は七大悪魔だよね……。なんか、一人だけかなりの速度でこっちに来てない?
「マジでいんじゃん!」
「……帰りてぇ」
……なんか、めちゃくちゃ元気な悪魔が落ちてきたと思ったらゼクトに肩組みしてるし、誰この人。七大悪魔、なんだよね?
「ども~。七大悪魔の【憤怒のイラ】警備最高責任者のクラファス。あんたらのことはウェルドから聞いてる。皇女はおひさ。今度また乱闘しよーぜ」
「フレンドリーだな」
「クラファスは根っからの戦闘狂で快楽主義。自分が楽しけりゃいいから魔帝に何回も挑んでは半殺しにされてる」
なんでこの人まだ七大悪魔なんだよ。剥奪しろ。てかよく殺されないね? 普通なら殺されると思うんですけど。
「毎回思うんだけど、君たち僕のこと考えてくれないかなあ!? 僕は飛べないって言ってるじゃん!」
「転移魔法覚えなさいよ」
「俺的には、歩いて移動もいいけどね」
……一つ、聞き慣れた声がする。いや、そんなに頻繁に聞いてるワケではないけども。
「……何故大神官がここに?」
「分かってはいたけど、勢揃いだねぇ。お久しぶりですね。大神官ナイジェルはとうの昔に死んでいまして。彼の姿を借りて動かせてもらいました」
ナイジェルさんと、きれいな純白の翼を持つ男女。……いや、きれいだと見惚れてる暇はなくて、なんて言った? 姿を借りて? 死んでる?
「魔界序列七位、七大悪魔が一人【暴食のグラ】オーク種・オーガ種族長、カルディ家当主のウェルドリス・カルディ。ナイジェル見つけたときは死にかけでゼクト抱えてたから身体もらっちゃったんだよねぇ」
……この人たち、情報過多で殺しに来てるのかな。本物のナイジェルさんはとっくのとうに死んでて、先生たちが見つけたときは既に私たちの知ってるナイジェルさんで? ゼクトは記憶持ってたのか分からないけど、早くから魔界とは繋がってたってこと?
「……リフィア?」
「…………いません」
「リフィア?」
「いないです……」
無理があるよ……。ほら、お兄さんとお姉さんに顔見せなさいよ。ずっと隠れてるつもりじゃないよね。
「なんか、すみません……」
「いや、いいよ。リフィアが他の人に懐いてるのは珍しいし」
あんた人見知りだったのか……。いや、普通に人と関わるの昔から苦手だし、人見知りではあったか。仲良くなると距離感バグる系の子だったから忘れてた。
「てか、何してそんなに会いたくないのよ」
「……皇子の左腕、食べちゃった、的な?」
何言ってるんだこの子。てか何してんの?




