209.
アディッサさんいたら王太子殿下並みに怒ってそうだよねぇ。
「私の妹になんか文句あるワケ?」
「夜中に押しかけてくること以外はねぇよ」
妹ってことは、この人アディッサさんのお姉さん? 声高いし、スカート履いてるし。よくよく見れば似てるなぁ。
「あはは。皇女様たちよりこっちが先かしら。魔界序列六位、七大悪魔が一人【色欲のルクスリア】淫魔・吸血鬼種長、アザリアよ。シエルの契約者であるアディッサは私の妹なの。よろしくね」
「姉妹揃って美女……」
「アザリアは男だぞ」
「え?」
いや、身長は高いけど、そういう女の人もいるし、普通に見た目も女の人だよ? 声も男の人にしては高いし、喉仏も見えないんですけど。
「淫魔の主な能力は幻影だ。こいつのは女装。第三と同じだ」
「一緒にしないでくれない?」
「女装なんて酷いなあ」
そう言えば、第三魔術師も女装だっけか。魔法があるからか、女装のレベルが高いよ……。ボイチェンみたいに声変えてるってことだよね。なんか、身長が高いと声が低いって聞いたことあるし。
「この際だから、先に自分たちの紹介しますか? どこぞのバカの説明にもなりますし」
「社畜がなんか言ってんな」
「仕事が増えた理由は大半がお前だよ」
「研究職に研究させないくらい仕事回してる上が悪いでしょ。……そう言えば、私らの上こいつか」
ゼクトって、結構地位高かったんだ……。同じ七大悪魔とかなのか? それにしても立場が上って相当な気がするけど。
「上から言ってけば?」
「俺じゃん……」
「ゼクトくんなんだ……」
「一応序列二位」
……それ、ヴァーミリオンより高くない? あれ、私の記憶違い? ゲームでもヴァーミリオンって確か序列三位って言ってたよ?
「……魔界序列二位、七大悪魔が一人【強欲のアヴァリティア】魔皇子、ゼロニクルだ」
「クロくんはあとで説教だから」
「今言う必要ありましたかね、リリーさん」
「思い出したから仕方なし」
クロくんって、どこかで聞いた呼び方だな……。あの時空の歪みであった人も、確かクロって名乗ってたよな。
「あぁ、それがこれですね」
「……え、ゼクト?」
「正確には、クロくんが私たちに残していた魔力の残滓ですね」
分からん分からん。何がどういうことよ。そしてリリアナは平然と受け入れてるのはどうして。
「まぁ、クロくんだし」
「……黒だからクロくんじゃないよね?」
「黒だからクロくんだけど文句ある?」
ネーミングセンスはなかったらしい……。




