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204.




光が消えたと思えば、場所が変わっていた。あのとき、時空の歪みができたときに見た場所。綺麗な星空が見える花畑とその中央に立つ大樹。違うことと言えば、あの悪魔、クロさんがいない。そして、


「……これ、あの龍?」


目の前には、身体中に傷があり、血が流れている龍。リリアナの守護獣たちが心配そうにしている。


《お母様、起きて。起きて》


この龍を、治せばいいのかな。一歩近づけば龍の目が開いて、こちらをジッと見てくる。それでも、動く気配はなくて、ゆっくりと近づいていく。


《魔力》

「魔力を流せばいいの?」


傷がない場所を探して、手を当てる。そこからゆっくりと魔力を慎重に流し込む。本当にゆっくりだけれど、龍の身体の傷が癒えていく。このまま、治していけば大丈夫なはず。ゆっくり、ゆっくりと、確実に。あっちのことが心配だけれど、この龍を治すことに集中しないと……。


「……治、た?」


しばらくすれば傷は消え失せていた。龍は傷が癒えたのを見て鳴く。きっと、ずっとこの傷があったのだろう。リリアナの守護獣たちも、嬉しそうに龍の周りを飛んでいる。


「てか、これどう帰るの!?」


治したけど、帰り方分からないんじゃ意味がない。この三匹に言ってみる? 言葉は通じるし、声も聞こえるから、いけるはず。


「傷が治ってすぐで悪いんだけど、ここから出る方法知らない?」

《こっち》


大樹のところに案内される。モノは試し。大樹に魔力を流し込むと空間が歪んで穴ができる。ここを通れば、戻れるのかな。


「あなたたちは?」

《すぐ戻る》

《妹、ありがと》


だから、その妹ってのは何? 聞きたいけど、先に戻らないと。戻ってもこの二匹はいるはずだし、大丈夫でしょ。穴に触れると、また光が周囲を包み、目を開ければそこは、元いた場所だった。


「……ちょ、動かないの!」


起きたのは嬉しいけどリリアナめちゃくちゃ当たり前のように動くじゃん。あんたついさっきまで胸に剣刺さってたんだからね!?


「治してはいたけど、大丈夫?」

「…………大丈夫」


というか、これからどうするんだろう。リリアナは戻ってきたけど、あの龍はまだ上にいるし……。ゼクトたちがまたあの龍ダウンさせたときに上に上がる?


「……上行くよ」


いつもの柔らかい優しい声ではなく、どこか冷たい声。一瞬で転移してみんなのところに戻る。いやいや、だからあなた怪我人ね!?


「二人とも、大丈夫?!」

「私は平気」


リリアナも大丈夫そうだけど……。いやてか、服どうにかしよう。胸刺されたのもあって服破けてるから目のやり場困るから、どうにかして。


「起きて早々悪いけど、これどーにかしてくれない? あと、さっさと服作って……」

「注文が多いですね。そのくらいなんとかしてほしいんですが……」


服に関しては王太子殿下の意見が正しいから。龍はリリアナ起きてもそのまんまだけど、落ち着いてきてるな。






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