198.
天使って、ニーチェル公爵が?
「あんまり天使ってのは好きじゃないんだがな。あと、俺ばっか見てていいのか?」
後ろを見てみればすくそこに龍がいて、こちらに向かって魔法を放ってくる。いやいやいや!
「……っとに、だから龍って嫌いなんだよねぇ。すぐ暴走するし、見境ないし」
間一髪のところで王太子殿下が魔法で龍を止めてくれたけど、どうするの。ニーチェル公爵は何もする気なさそうだし。
「リオ」
「さすがに無理!」
「役立たないねぇ。蛇もノロマだし」
「引きこもりに言われたくないんだけど?」
いつもより少し低いラテさんの声がして、振り向けばいくつもの魔法を展開していた。
「俺に当てるなよ」
「勝手に避けなさいよ」
……この二人、そんなに仲悪かったっけ。というかラテさん人格変わってない? そのくらい怖いんですけども。
「てかさー。お前は動かないワケ?」
「お前らが動けばいけるだろ? まさか、弱ってる龍一匹も倒せねぇなんて言わないだろうな」
さっきからこの人たち変わりすぎだし、なんなの。てか、次来てるし!
「とりあえず、四人は龍なんとかしてよ? 私のはさすがに通らないし、シエルさんたちは龍相手は無理だから」
「俺だけなんか格下がるんですけど」
「文句言わずにやれ」
「あんまりやると怒られるんだよなぁ」
「龍殺しなんていつぶりだろうね」
オリヴィエさんが結界を張って、四人が攻撃。それは分かるけど、なんでラテさんまで……。
「オリヴィエ、説明」
「こうなりゃ秘匿も何もないしねぇ。リオくんはリリアナちゃんの双子の兄。前に話してた亡くなった子。呪いなのか、はたまたハゼルトだからなのか。リオくんは亡霊として留まり続けてる。で、面倒だからまとめるけど、ゼクトくんとフォールトくんは元悪魔らしいよ。ラテちゃんは神族で諸事情で降りてきてるとかなんとか」
情報量が多いからやめてほしい。処理しきれないし、なんて? ゼクトと王太子殿下が悪魔? ラテさんが神族?
「で、合ってる?」
「少し違いはするが、そんな感じだな」
「なんでそれをオリヴィエが知ってるのかも聞きたいけど」
「先にリリアナ嬢の説明もほしいですね」
いや全部ほしいけど。てか真っ先にほしいのはニーチェル公爵の正体とかなんでこんなことしたのかなんだけども!
「お父さんは本当になんなの……」
「簡単に言えば体のいいように使われてる元神だが?」
「さっき天使って聞いたんですが……」
「一応そっちもやってた」
本当になんなんだよ。てか転生者多くない!? この世界ってそんなに転生あるあるなの? 普通転生者って多くても二人とか三人でしょ。
「てか先生たちなんとかできないの!?」
「さすがに信仰対象殺す気でやるのは無理。てか、あれ一応姪っ子殿判定だから攻撃したら普通に契約に抵触する」
「誰その契約持ちかけてきたの」
「ヴァーミリオン」
あいつかい!




