157.
なんか結局いろいろと話し込んでるけど、一応身内でのパーティーだよね? 何やるの。
「普段はトランプだったりすごろくだったりだね」
「一部不正が起きるやつな?」
「やるのは主にゼクトとリリアナだけどね」
「普段魔法ありでやってますからね」
魔法ありのトランプとか地獄でしかないでしょ。チートとチートとチートだぞ。巻き込まれた側が可哀想だよ。
「伯父様たちは負けたらお酒飲むって言うやつやってますよね」
「あれは酒に強いからこそで弱いと終わるぞ」
酒飲みゲームしてるのか。脱衣ゲームじゃないだけまだマシなのかな。なんでああいうのってやるのかね。需要がないよ。腐女子腐男子以外の人への需要が。
「最近何故か流行ってる薔薇ってやつ?」
「え、あれ流行ってるの?」
「ちゃんと名前出されてないから規制できねぇんだよな……」
やはりどの世界にも腐女子腐男子の皆さまは存在するようで、モデルにされた被害者たちが大勢。名前が直接出されたワケでもないから、似てるだけと言われて躱されるのが目に見えてる。
「百合と言うのも流行ってるみたいですしね」
「お兄ちゃんたちがモデルなだけならまだ笑って終わらせられるんだけどね」
「自分もとなると、さすがにどうなのかと」
「なんで俺らはいい前提なんだよ」
たまにこういう変な話題で盛り上がったりするよな。盛り上がってるって言えるのか分からないけどさ。
「他国では一部問題になりましたよね」
「そんなに?」
「現実にいる奴らの名前だったり見た目だったり関係だったりがほぼ同じで、男女の恋愛書いたらしい。しかも爵位も離れてて身分違いの恋。周りは本人たちに当てはめるし、本人たちもそれに酔って男の方は婚約者がいるってのに放置。婚約破棄まで叩きつけたらしい」
「結果的に、その方たちは身分剥奪の上、ご令嬢への謝礼金を稼がなければならなくなり強制労働施設に送られたという噂ですよ。著者の方も言語道断作品を作ることを禁じられたとか」
最悪なこと起こってるな。ネット小説でもそんな感じのやつあったな。もう内容ほとんど忘れちゃったけど。
「ちなみに、今の流行りはとある国の皇太子殿下と伯爵令嬢の恋愛ものらしいですよ」
「は!?」
「学院で出逢って恋にってやつか。よく書くよな……」
よく書くよなじゃなくて、普通に怖いんですけど。その作者はどうしてそういうの思いつくの。一瞬ゲーム思い浮かんで怖かったんですけど。殿下とのフラグとか一切立ててないからなお怖い。
「皇太子の婚約者が公爵令嬢だったしね」
「現実とは異なる内容だったりで止めるの難しいんだよな」
「皇族の婚約者が公爵令嬢だったりはありふれてるしね」
ありふれてるけど。ありふれてるけども、だから怖いんだよ。それ見て真に受けた人がいたらどうするの。




