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ここ、リリアナいないとハゼルト関連の話多いよね。一番謎が多いから仕方ないのかもしれないけど。
「リリアナの髪色って珍しいよね」
「白銀は見ないものね」
リリアナの髪色はシティアルにもハゼルトにも直近三代にはなかった白銀。光に照らされると別の色のようにも見えるというなんとも不思議な色合い。何故かゲームでリリアナとヒロインが対峙したときのシーンの一つに髪色に関するものがあった。確か、気味悪がるか綺麗だと思うか、だっけかな。スチルを全部見たかったから両方選択したけど、前者だと特に何もなく、後者だとリリアナの微笑みスチルが画面ドアップというご褒美がもらえたんだよね。美人の笑顔は需要しかない。
「先祖返りも、理解されないと大変だよねぇ」
「先祖返りがなんか言ってるよ……」
「俺は魔力とかだからね。再従妹殿みたく、外面に出てないからいい方だよ」
先祖返りって何? たまにアニメとかでそういうの出てきてた気がするけど、覚えてないや。
「昔と今だと、圧倒的に昔の方が魔力などの質や量がよかったんだよ」
「昔は使えなければいけなかったからね」
「……戦争か」
「子どもだろうと戦場に出てたんだ。幼い頃から魔法を使えば中には優等種もできる。そいつらを交配させれば、優等種が増えてく。そうすりゃ簡単には壊れない戦争の駒の完成だ。戦争の中生きた奴らはそれが当たり前にもなる」
そうやって感覚が麻痺していけば劣等とされる人たちは淘汰されて優等とされる人たちだけが残る。戦争が終われば多少の感覚は戻るだろうけど、完全ではない。戦争で家門が滅びてそのときに戦果を上げた平民が貴族に、というのは少なくない。
「それを止めたのが初代魔術師。魔塔創立者であり、七大悪魔【傲慢のスペルディア】の契約者。神に愛された一族、ハゼルトの人間だよ」
魔塔の創立者がハゼルト……。戦争が起こって、かつこの国の建国前となると、数億年は前だ。そんなに昔から、ハゼルトは最上位種族と関わりがあるのか。
「契約って悪魔とだけなの?」
「精霊か悪魔。そいつと相性のいい奴がなる」
「今のところ比率は?」
「悪魔が四だな」
偏りすぎでしょ。そんなに悪魔と相性いいの? リリアナとか精霊と相性よさそうなのに。
「神殿と仲が悪いのって」
「悪魔と相性いいのが多いからだな」
「精霊と悪魔なら、そりゃ悪魔だよね。精霊の恩恵って少ないし」
フェニックスがいるの忘れてないですか? 普通に喧嘩売るじゃん。相手上位種族ですからね?
「守護獣とはまた違うんですよね」
「違うな。守護獣は相手が決められてるが、契約は悪魔や精霊が気に入った相手とするものだ。だから、基本的に契約した人間に拒否権はない」
「なるほど」
「シエルがアディッサといるのもそれだ。アディッサが契約で呼んだ瞬間に番の契約をしたらしい」
先生は抵抗できずにってことか。まぁ、先生も幸せそうだし、いいのかな。




