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142.




あの人がなんで私たちのことを貴族って分かったのかは問題じゃない。なんとか脱出しないと。


「魔力は使えるんですよね」

「使えるだろうけど、魔法にできなきゃ無理だよ」

「認識阻害もかけられてるだろうね」


魔法は使えない。認識阻害がある以上、私たちがここにいることは分からない。魔力もおそらく探知できないようにされてる。救助は見込めない。


「ピンポイントで狙われたとしか思えない用意周到さだね」

「……いや、たまたまだろうね。もし僕たちを狙うからリリアナがいないと確信した上で正確に見つけなきゃいけない」


リリアナがいないときにやるのは当然ながら抵抗を防ぐため。リリアナなら私たちが見えていなくても敵だけを制圧できる。ただ、見つけるって言うのは?


「リリアナは自分がいるときは常に認識阻害を使ってるはずだよ。狙われやすい立場だし、危険を減らすためにね。それでもって、念のためって兄さんから認識阻害のための魔道具を渡されて発動してる」

「……私たちの正体はバレていない」


私たちがいつの間にか罠に嵌まってたってことか。何かしらの条件で発動する魔法だったとしたらかなり高度な技術が求められるはず。なんでこんなことをしてるのかますます分からない。


「リリアナが感知するのを待つかなぁ」

「阻害がかけられてるから無理なのではないんですか?」

「不可能を可能にするのがハゼルトでしょ? リリアナのお気に入りがいる以上、ハゼルトは何がなんでも見つけるよ。リリアナの機嫌を損ねることだけはしたくないからね」


リリアナ中心に話してはいるけど、そこまでの影響力があるのかな。ハゼルトの後継者だってことを踏まえたとしても、リリアナ最優先になるのが分からない。魔塔が何かとの契約でリリアナ絶対になってるみたいだけど、その理由も分からないし。


「クロフィム様はどこまで知っているんですか? 神殿では、ハゼルト侯爵家は厄災、と言われましたが」

「基本的には兄さんに教えてもらったことだから、なんとも言えない。ただハゼルト自体が災厄なんじゃなくて、ハゼルトの神が厄災なんだ」

「亡くなっているという話では?」

「死んでもなお、影響をもたらすのがハゼルトの神なんだってさ。実際にどこまで影響があるのかは分からないけどね」


でも、リリアナが大切にされてるのは神様が何かしら関係してる。ハゼルトの神……神話を見たけれど、あの神様がしたことは祝福を与えるとかの些細なことだけだったはず。


「王太子殿下は何故知っているんでしょうか」

「昔から歴史好きだったし、侯爵が来ると神話に関してとか話してたから、それじゃないかな」






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