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139.




あっという間に魔法実技の授業だけど、平気で高等テクニックを要求されるんですが……。


「無詠唱って可能なの?」


リリアナたちは普通にやってるけど、普通は詠唱って必須だよね。


「詠唱は魔法の効果を高めるのと、魔法の成功率を上げるためのものなんだって。だから、そもそもで確定成功の魔術師たちは使わないらしいよ」


魔力で無理やり成功にできる人にはそんなものいらないってことか。だとしても、難しいよ。


「魔法陣も使ってないときあるけど」

「使ってないというか、見えてないだけらしいよ。兄さんが言うには」

「わざわざ消してるってことですか?」

「逆ですよ。魔法陣は本来見えないもので、それを見えるよう可視化しているんです。味方に当たらないように。転移魔法などだと、魔法陣の中にいる方を転移させますので、範囲を明確にできます」


私たちは無意識に魔法陣を可視化してるってことか。やろうとすれば見えなくできるんだろうけど、役に立つとも思えない……。戦争とかだとそれこそ味方に教えるために可視化するだろうし。


「よく使われるのは暗殺目的と拷問だ」

「さらっと最悪なことを言いますね」


他のところ回ってたけど、もうこっちに来たんですね。


「設置型の魔法なんかだと、魔法陣が視えると誰も当たらないからな。それに、自己防衛のときに周囲に不可視の魔法陣仕込んで敵が来たとき自動で発動させることもできる」


相手が動くのを待つのが基本になるってことか。そんなことされるような日、来てほしくないけど。


「先生的に一番キツい不可視魔法ってなんですか?」

「【音】。耳壊される上にかなり響くからすぐバレる」

「何しようとしたんですか」

「単純にモノ借りに行こうとしたらミスって発動した」


不法侵入やめましょうね。絶対勝手に取ろうとしたでしょ。


「話ズレましたけど、無詠唱の話でしたよね?」

「あ、そうだった」


詠唱をしている間は無防備だし、無詠唱とまではいかなくても、短縮はしたいよね。


「リリアナは魔力でごり押し?」

「いえ、そもそも詠唱をちゃんと覚えていないので詠唱できないです」


予想の斜め上の回答が来たな。そこは覚えてるけど使わないって言ってほしかった。


「と言うよりも、私詠唱が載っているものを見せてもらった試しがなくてですね」

「ハゼルトに詠唱が載ってるのなんざねぇよ」 


血筋か。やっぱり血筋なのか。才能マンたちめ……。


「他の魔術師殿から詠唱聞いたりとかは」

「詠唱がないのが普通だとばかり」

「魔術師様方も、ハゼルトだからとあまり気に止めていなかったんですかね」

「ハゼルトですからね」


ハゼルトって、なんでも免罪符にできる言葉じゃないからね?






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