138.
かなり遅くまで話してたから、眠い……。話が盛り上がりすぎた。ほとんどがリリアナと電化どうくっつけるかの話し合いだったけど。
「馬車にこんなに入らなくない?」
「学院に飛べばすぐだろ」
便利だけど、当たり前のように転移しないで。高等魔法だよ? 使われすぎて一般魔法みたいに感じるけど、一応高等魔法だから。
「今日何あるっけ」
「魔法実技ですね」
「それは知ってる」
「守護獣とのですね」
二学期からちょこちょこと守護獣交えた授業あるけど、やりたくない。いつも同じメンバーなのはいいとして、注目を集めすぎてるんだよな。
「今日一限なんだっけ」
「神話」
「あれ覚えられる人いるのかしら」
「モノによってはいけるだろ」
三年生って、神話の授業なんてあるんだ。前世だと倫理が宗教とかそういうの詳しくやるんだっけ? 倫理は高三のときに選択してってやつでやったことないから分からないけど。
「上位種族のところは得意なんだけどねぇ」
「フォールトもゼクトも、そこはできるよな」
「関わりが深いからね。王族に子どもが産まれる度に神殿に連れていって国の繁栄を祈るくらいには信仰心あるし」
……うん。話についていけない。あれは二年後だ。もしくはあとでリリアナに分かりやすく解説してもらおう。頭がいい人たちの会話は無理に混ざらずあとで自分のレベルに合った解説を聞くのが一番。
「神話の授業なんてあるんだね」
「国によって信仰している方が違いますからね」
「だから三年生で学ぶってことか」
歴史で多少はやるけど、詳しいことは三年生でってことか。……宗教、できるかな。
「神話だと、結構昔のやつもやるよね」
「上位種族たちの戦争も少しですけど、やるそうです」
「必要ある?」
「その戦争から他種族交流が活発化した、みたいなことは聞きました」
や、やりたくない。必要なのか聞きたいくらいにはやりたくない。いらないでしょ。上位種族の戦争なんて。人が関わってるならまだやるけどもさ。
「昔から交流があるって言うのは聞くけど、戦争のあとにそんなすぐ活発化するものなの?」
「その戦争がなんでも、他種族と共存すべきかどうか、みたいなものらしいよ。種族が違うのだから干渉せずに生きるべき、必要なときは互いに干渉して平和を保つべきって感じで意見が割れたらしい」
「結局どうなったの?」
「必要最低限の交流となったようです。今の国同士の関係と似たようなものですね」
種族が違えど、やっぱりそういうことは起きるよね。戦争が起きない世界なんてないし、もしあるならどんな世界だよって感じ。




