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134.




パーティーも終わり、王妃殿下はまだいてほしそうだったけれど、帰ってきた。ハゼルト侯爵家だけども。


「部屋男女で分けてるだけだけどいいよね?」

「逆に二部屋に収まるの?」

「そこに地べたで寝るのがいるだろ」

「地べたで寝たくて寝てるんじゃなくて寝落ちして地べたで寝てるんです」


令嬢で寝落ちってあんまり聞かないよ。あと何。リリアナ地べたに座って何かしてるの? せめて椅子に座ろうよ。なんで椅子使わないの。


「せめて毛布とか敷けよ」

「持っては行きますよ?」


持ってくだけじゃなくて使ってよ。身体痛くならないの? というか、まず地べたに座るって選択肢を消して。


「……騒がしいと思ったら、もう帰ってきたの? 速くな……」


中に入ると頭に手を当ててだらしない服装で出てくる何故かとても見覚えのある人。ピンクブロンドの髪で毛先は黒く染めていて、右目には眼帯にしてはずいぶん珍しい形のモノをつけている。


「……なんでここにいんの?」

「こっちのセリフなんだけど?」


なんでいるの。どこかの貴族の屋敷で働いてるとは聞いてたけど、まさかハゼルトじゃないよね。


「カラシャおじさん」

「おじさん!?」

「………カラシャ、お前カトレア家だったのかよ」

「え、そこ!? てか今さら!? おまっ、何年俺ら一緒いるんだよ!」


なんで先生たちが知らないの。というか、本当にどういうこと?


「……カラシャさんって」

「まず貴族だったんですね」

「えぇ……。みんな酷いなぁ。ねぇ、ゼクト」

「………てっきり同じ私生児だと思ってた」

「ゼクトはここを孤児院にでもしようとしてるの?」


絶対長くなるし、立ってるのツラいから広めの部屋に入って話再開するけど、何しれっと先生の横座ってるんだこの人は。


「なんかみんなに忘れられてるし、はじめましての子多いから言うけど、カラシャ・クノン・カトレア。アイリスの叔父でシエルたちの一個上。学院出てからはここに住まわしてもらってるよ」

「……そだっけ?」

「覚えてねぇな」

「せめて自分が気に入って連れてきた人くらい把握してください」



とりあえず、おじさんがいる理由は分かったけども……。


「仕事できてるの?」

「そりゃあ、優秀だからね」

「人の部屋勝手に改造したの誰でしたっけ」

「自分の服失くしたじゃん」


全部暴露されてますけど。部屋勝手に改造するって何。あと人の服失くさない。というか侍従として雇われてるならもっと別の仕事あるでしょ。


「右目、怪我されてるんですか?」

「あぁ、これね。生まれつき視えてないんだよ」


おじさん、確か左目も弱視って言ってたな。仕事できるのか不安だけど、見えないにしてはかなり動けてるよね。魔法かな。


「眼帯はメルトが作ってくれた魔道具でね。普通の人と同じくらい見えるようになってるんだ」

「メルトが魔道具作るの珍しいよな」

「暇だったから作っただけ。ほら、もう寝るよ」


無理やり話切ったな。聞かれたくなかったのか。それにしても、おじさん元気そう。最後に会ったのがかなり前だったから久しぶりに会って驚いたけど、よかった。






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