126.
…んー、分からない。普段のメルトさんが見慣れすぎてて余計に。
「まぁ、言ってしまうと、アディッサ様がくっついてるのが伯父様です」
「俺がボッチみてぇじゃん…」
「ボッチだ~」
「殺すぞ」
本当に脳がバグる。先生も見てないで止めてくださいよ。いや、これ止めに入った方が収拾つかないような気も……。
「メルトさんって一人称俺なんだ」
「区別つけるために魔塔行ってからは変えたけどな」
先生と瓜二つ……いや、双子だから当然と言えば当然だけど……。にしても面がいいな?
「それでこちらの女性が」
「こちらアディッサ様。伯父様の番で契約者です」
「番って、動物とかのあれ?」
「そうです」
番ってのも意味分からないけど、契約者って何。
「アディッサ様は人ではないんですよ」
「精霊とかってことですか?」
「いえ、悪魔です」
悪魔か……悪魔? この人が? いかにも私人間で無害ですって雰囲気を出してるのに?
「契約者ってのはハゼルトのしきたりだ。んで、アディッサは俺の契約者で悪魔だ」
「アディッサ・グラツィオ。悪魔の中でも上位に分類されるわ。よろしく」
「……しきたりってことは、リリーちゃんにも」
「いますよ」
そりゃあ、いますよね。この子どんだけ強くなるんだ。作者はリリアナに設定詰め込みすぎ……というかハゼルトを強くしすぎ。バランスブレイカーにもほどがある。
「リリアナの契約者は」
「古くからハゼルトと交流を持っている方、とだけ」
極秘扱いってことか。当たり前ではあるけど、気になる。それに、悪魔って対価とか要求されそうだけど……。
「私は食事が血とかああいうのだからねぇ。そういうのを提供するってことで手を打ってるんだよ」
「人によっては片眼を奪われたりしてますね」
「リリアナ嬢は何を代償にしたんだ?」
「………なんでしょうね」
これ以上は聞くなってことか。ハゼルトのだし、言えないんだろうな。果たして契約者とやらが言ってもいいのかは別として。
「ちょうどいいので、そのままやることやってください」
「それは姪の仕事だろ」
「伯父様たちが押しつけてきた仕事ですよね?」