110.
しばらく話してると王妃殿下がせっかくだから花祭りのときに着る服を選びたいと言い出し、衣装部屋に行くことになった。なお、リリアナに関しては全力で逃げようとしてる。
「諦めろ」
「往生際が悪いよ」
「リアが服持ってないのが悪い」
「持ってます! あります!! あんな毎日毎日同じ服しか着ない伯父様たちと一緒にしないでください!」
先生たちに関しては同じ服を数着持ってるんでしょ。あと、話の引き合いに出さないの。
「……マスターの持ってる服が暗めの色しかないのが悪いのでは」
「逆にガンマは私に明るい色が似合うと思うんですか?」
「着ないから似合わないと思うだけで、着てれば似合うようになりますよ」
正論すぎる…。服の似合う似合わないって、その人が普段どんな感じのを着てるかだもんなぁ。前は似合ってたのに今は似合わないとかって、着なさすぎて似合わないと思っちゃうやつだし。
「オリヴィエさんはドレスに抵抗ないんですか?」
「この国は別にドレスじゃなくてもいいんだよ。だから私はこっちにいる間はずっとこれ」
「オリヴィエ、真面目にこっちで騎士やる?」
「お父さんが許可してくれたら本当にお願いするかも。無理だったらハゼルト行く」
国外はダメでも国内はいいよ、とはならないでしょうに。ムフロフ侯爵も大変そうだな。
「……え、雇いませんよ?」
「そこは雇うって言うところなんだよ? リリアナちゃん」
「ハゼルトの騎士は魔塔管理なので、第一様、もしくは伯父様に言ってください」
なんでハゼルトの騎士なのに魔塔管理なのかは置いておいて、まず親から許可を取ってください。
「お母さんはいいって言ってくれてるよ」
「両方から取りましょうよ」
「そこに親の代わりに伯父を毎度使うのがいてだな」
「リリアナ嬢はいい加減公爵と話してくれ」
似たようなくだりをいつだかも聞いたぞ。
「今年の花姫なんだから、着飾らないと」
「だから、自国の令嬢を選んでください!」
リリアナのそんな悲鳴のような意見が通るはずもなく、王妃殿下に連れられどこかへ行く。ユイさんもついていったから、二人がかりなのかな。
「令嬢たちも行こうか。案内する」
私たちはカラリエさんが案内してくれて、たぶんリリアナとはまた別の衣装部屋に行く。いないしたぶん別の衣装部屋だと思う。
「これ、本当に借りていいんですか?」
「王妃殿下が可愛い子たちを着飾らせたいと用意しているものだから、遠慮せずに選んでくれ」
「アイリスこれとか似合いそう」
「これなんかいいんじゃない?」
こっちは和気あいあいと話しながら服選んでるけど、リリアナ……。大丈夫かな。




