105.
いろんなことがあり、怒涛とも言える夏休みが終わった。つまり何があるかと言うと、夏季課題のテストですね。はい。
普通さぁ。そういうことやるなら始業式の次の日じゃん? なんでここは始業式の日のテストなの?
「意外と詰め詰めだもんねぇ」
何が嫌だって、夏季課題のテストがランダムなのよ。全教科中の二科目と魔法実技。はいもう終わり。クソゲーです。ゲームでランダム実施だったし、もしかしたらと思ったらこれだよ。なんでだよ。いや全教科やられても困るけど!
「テストは魔法学と薬学だから頑張れよ」
魔法学はまだいいけど、薬学は終わったかもしれない。無理です。しかもそのあとに魔法実技とか言う鬼畜があるし。
「実技じゃないだけマシではありますが」
「難しい教科が来ましたね」
決まったことだし、やるしかない。魔法学はそこそこ、薬学は普通に終わってる感じがするけれど、信じるしかないかな。
「魔法実技、本当に嫌なんだけど」
リリアナは大規模になるからと後日。これに関してはゼクトやオリヴィエさんなど、かなり大がかりな魔法を指定された人がそういう処置になるらしい。ゼクトは魔法使ってるイメージあるけど、オリヴィエさんはないんだよな。
「オリヴィエ様は純粋な真剣を好んでいますからね」
「魔法も使えるらしいが、我々も見たことないな」
じゃあオリヴィエさんの魔法ってかなりレアなのでは……。
魔法実技はそこそこ順調に進み、全員何事もなくクリア。さすがに期末テストのときみたいなのはもう起こらないか。
「リリアナって魔法課題なんなの?」
「新規魔法の製作ですよ」
一人だけ難易度がおかしいって。先生身内に容赦がないな。せめて高難易度の魔法に納めてあげてよ。
「ハゼルトにいる口実にもなりますから」
「リリーちゃん、そろそろ公爵と話をしようね」
「忙しそうですし、遠慮しますかね」
逃げるな逃げるな。二人の間に置かれてるユラエスの立場とかを考えてあげなさいよ。二人して目の前の問題から逃げないの。