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103.




裁判は穏便とは程遠いけれど、なんとか終わり、夏休みは終盤に差しかかった。差しかかったけど、


「無理無理無理」


魔法実技の課題だけ終わってない。決してサボってたワケではないんだよ。クソムズいんだよこれだけ。自分の属性でないかつ指定された魔法を使えるようにしてこいとかどんな無茶振りですか。


「……そもそも、どんな魔法なのこれ…」


魔法はイメージとよく言うけど、本当にその通りで、イメージがしっかりとしていないと魔法は失敗に終わる。簡単な魔法でも、イメージができていないと発動できない。だから普通は魔法陣とか使うんだけど、どこぞの誰かさんたちは使わないからなぁ。イメージもなんとなく、で片付けてそうだし宛になるとは思えない。ティアナたちは忙しそうだし。


《ずいぶんと悩んでいるな》

「勝手に出てくるのは守護獣としてどうなのよ」


魔法は勝手に使ってはいけないため、今は学院の実習場を借りてる。魔法実技のやつをしたいと言ったら許可してもらえた。


《毒魔法か》

「要領は【水】と同じって言われたけど、分かんないんだよねぇ」


毒魔法は、水魔法の派生魔法だ。まぁ派生魔法なんてバカみたいにあるから全部を覚えてるワケではないけどね。基本の属性が【火】【水】【土】【風】【木】【光】【闇】の六属性。そこから枝分かれするけど、【水】の派生は【雪】や【毒】など。派生魔法だからまだいいけれど、そうじゃなかったら地獄だろうな。コツを掴むのが難しいし。


毒魔法は簡単に言えば水魔法にわざと不純物を混ぜる。毒魔法と言っても純水ではなく泥水を生み出すようなものだ。さすがに学生に本当に毒を作らせるワケないよね。………先生ならありそうだけど、今回は違うからよしとしよう。


「何かコツとかないの?」

《毒は我の分野ではない》


役立たずな守護獣だな。分野じゃないってなんだよ。少なくとも液体はお前の分野だろ。

守護獣は役立たず。周りは頼るにも忙しそう。一人でやるしかないか。


「というか、あんたって結局なんなの?」


大雑把な質問だけれど意図は伝わったらしく、生まれた理由は人の自然への畏怖や信仰などではなく、一人の神族の思いつきらしい。


《姫は自分の持つ力を持て余し、知識を蓄えることが好きだった》


その子はあるとき、命を生み出すことに興味を持ったらしい。普通ならば生命の創造なんて簡単にできることではないけれど、その子はできてしまったらしい。


《そうして生まれたのが我々【王】と呼ばれる存在だ》

「その子はどうなったの?」

《……愛しい者を見つけ、子を孕んだが産む前に亡くなった》


………聞かなきゃよかった。雑談にしてはちょっと重いよ。






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