表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

1.




神坂日奈。享年十六歳。

高校一年生の冬。友人たちと遊んでいたとき、飲酒運転の車に信号を待っているところを突っ込まれて死亡。

何が悲しくてそんな終わり方なんだよ!! と普通は叫んで無き散らかすことだろう。こっちに非は一ミリたりともない。ただ信号待ってただけ。まさに理不尽。事故は全部理不尽だけどさ。


そんなことがあり、神様が哀れに思ったのか(神様とかあんまり信じてないんだけど)、私は転生を果たした。

言いたいことは分かるよ。ありきたりだよね。某スライムに転生した小説とかがきっかけで爆発的人気で今じゃ擦られまくったネタだもんね。なんなら転生モノ嫌いって人もいるし。転生特典って、元から住んでた人からしたらたまったもんじゃないだろうしね。


そんな思いは心に留めておき、せっかく転生というほとんどの人が一度は夢見ることをしたのだ。楽しまない選択はない。もし知っているゲームや小説の世界だったら、悪役側なのか主人公側なのかとかでやらないといけないこと変わりそうだし。


転生してからいろいろと調べて分かったことは、この世界は私の知っているゲームの世界だと言うこと。内容はヒロインが攻略対象と恋愛をするという、これまた擦られまくった内容のもの。

小説でいつの間にやら出てきた「悪役令嬢」とかね。本来乙女ゲームにはいないんだよね。攻略対象に近寄る女子とかも基本いない。いつからそんな文化できたのやら。しかもそれがゲームに出てきてるし。まぁ、私は悪役令嬢じゃなくてヒロインだったんですけど……。


アイリス・ディア・カトレア。それが今世の私の名前だ。

伯爵家の一人娘として産まれ、両親に大切に育てられてきた女の子。そんなアイリスがゲームの舞台である「アルミティア魔法学院」で様々な攻略対象と出会い、恋に落ちる。それがゲームの内容。だけど、私は正直なところ、ゲーム通りにするつもりはない。何が起きるか分からないんだし。

ご都合主義によってゲームではハッピーエンドだったかもしれない。けどこれは現実。ゲームじゃないからご都合主義はないし、悪役令嬢が悪役令嬢だ。


リリアナ・アデア・シティアル。

この国に三つしかない公爵家の娘で、彼女の後ろには皇族と同等の権力を持つとされる侯爵がいる。彼女と正面からやり合うのは殺してくださいと言っているようなもの。

ゲームでは、自分の婚約者である皇太子殿下から婚約破棄をされるとき、淡々としていて、立場などの関係からヒロインの邪魔をしていたように見えた。

血筋などの関係か、常にトップのリリアナは魔法の才にも恵まれていて、皇太子殿下の婚約者じゃなければ【魔塔】と呼ばれる十四の魔法の天才たちが所属する場所に幼いながらに属することになっただろうという話もある。


そんなハイスペックで将来有望なリリアナ(悪役令嬢)とご都合主義により幸せを掴むアイリス(ヒロイン)。どっちが勝つかなんて明白。

だから学院に入ってからできるだけ目立たずに過ごす予定……だったんだけど、


「私ティアナ。よろしくね!」


早速フラグが立ちそうです……。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ