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第8話 危険!?なバイト

 怖い。この人が怖い。あの微笑みが怖い。リリアのは全身の毛がよだつのを感じた。逃げたい。逃げたい。おそらく顔にも出ているだろう。



 「そんな顔しないでください。ただ1日バイトをして頂きたいのです」

 男は困ったような顔に戻る。


 「・・・バイト?」

 

リリアはその一言を言うので精一杯だ。


 「ええ、決して怪しいバイトではありません。ああ、すいません。名前を先に言うべきでしたね。私はカイン=フォートと言います。しがないお城勤めの文官です。上司の命令でお守をできる人を探してまして。あなたに1日子供の子守をして頂きたいのです。」


 「・・・お守?」


 「ええ、今年6歳になられます、第一王女マリア様の子守を」





 「・・・・・・・・はっ?」

文官?子守?王女?情報が整理できない。この人の言ってることは何語?私はだれ?何人?私は今どこにいるの?


 「実はマリア様が城下町を見たいとおっしゃりまして。城にいる侍女では町を案内をするのが難しいのであなたに案内して頂きたいのです」


 確かに王族に直接仕える侍女は貴族がほとんどだ。侍女といっても行儀見習いのためだったり、玉の輿目的だったりする。庶民出の侍女もいるだろうが町にも詳しいだろうが身分の違いのため許されないのだろうか。しかし、今日あったばかりの得体のしれない女にこんな話をしていいものか?というか、この男が本当のこと言っているかも怪しい。

 

 「あ~お譲ちゃん、この男が言ってることは本当だぜぇ。この男そのためにウチに来たんだからな」

 伝時屋が私の疑問に答える。

「正直さっきこの男から依頼された時は困ってたんだ。町に詳しく安全そうな女を探すの面倒でな。」

 

 「・・・安全?」


 「そうです。王女を害する可能性もなく、王女を使って王族に媚を売るような人間を王女の傍に置くことはできません。それに王女と城下町を歩くことは危険も伴います。あなたはどちらもしそうに見えませんし、本ほしいでしょ?」


 「ぷっっ。確かにこんな裏通りに一人で来るし、お譲ちゃん媚売るのできなそう~」

伝時屋は笑いながら言う。

 つくづく腹立つ男ね、伝時屋。確かに媚を売ってどうこうなる容姿でもプロポーションでもないけどもね!!ゴマすりぐらいできるかもしれないじゃない!怒りである意味冷静さを取り戻してきた。男はそれに気づいたのか決断を迫る。


 「引き受けて頂けますか?」


男、カイン=フォートは私の顔をまっすぐに見つめ言う。

はっきり言って卑怯だと思う。正直信用できないし、この男はやっぱり怖い。けど、あんな綺麗な眼で見られたら頷いてしまう。

 

「わかりました。謹んでお引き受けします」




 


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