第54話
「お前らなどに死んでも口をわるものか。誇り高い貴族としての私のプライドが許しはしない」
「やめろ、下賤の者が私に触るな!」
「・・・・・・なんだ、何をする気だ!?」
「よせっ!そこに触れるな!やめろ」
「やめっやめろ!これ以上何をするつもりだ。やめてくれ!それはっ・・・・・それは関係ないだろう!」
「あぁぁ・・・・なんと非情な。私はこれからいったいどうやって生きて行けば・・・・」
「・・・・・・何をする!?これ以上何をする気だ」
「はっはなせ。離してくれ!誰か!誰か助けてくれ。なんでもする!誰か!!」
「ぎゃぁぁぁーーーーーーやめてくれ!!!ひぃぃぃ!かっ神よ!」
「殺してくれーーーーーー!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私が知っている事は全て話す。いえっ話します。だからもうこれ以上はお許しください。お願いします。助けてください」
「おっお許し下さい!なんでもします!貴女の忠実な僕になりますから」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
ディオとジャンは戦慄を覚えた。これは尋問ではない。はっきりいって拷問だと。
尋問という名の拷問が始まりおよそ5分。誇り高き貴族は、貴族としての誇りとプライドを捨てた。
何が起きたかというと・・・・
「お前らなどに死んでも口をわるものか。誇り高い貴族としての私のプライドが許しはしない」
「やめろ、下賤の者が私に触るな!」
リリアは縛られている伯爵に近付いいた。そして
「・・・・・・なんだ、何をする気だ!?」
伯爵の頭から取ってしまった。そうかつらを。
「あっやっぱりこれかつらね。でも質がいいのね。どこのメーカーなの?」
「よせっ!そこに触れるな!やめろ」
「あら?もしかしてこれエルピス・オニロのブランド物?
「やめっやめろ!これ以上何をするつもりだ。やめてくれ!それはっ・・・・・それは関係ないだろう!」
「あら?やっぱり当たりなのね。エルピス・オニロっていったら顧客も凄いんでしょうね。今は予約も数年先まで埋まってるって話よね。たったひとりの職人が相手を視て細かく製法するから時間かかるって。確か・・・スペアも作れないはずよね?」
そう言うとリリアは伯爵夫人が最初にもっていた薬をそれにかけた。
異臭を放ちながら目の前で焼け焦げていく自分の半身ともいえるもの。
「あぁぁ・・・・なんと非情な。私はこれからいったいどうやって生きて行けば・・・・」
「で、ここからが本番というか・・・・ちょっとさせてもらいたい事があるんだけど、ああよかった。あった、あった」
そういいリリアが取りだしたのはマッチだった。
「・・・・・・何をする!?これ以上何をする気だ」
「別にあなたにとってもチャンスかもしれないのよ。これが成功すればあなたもハッピーよ」
「・・・・・おい、リリア。何をする気だ」
堪りかねてジャンが問う。
「ん?実は本で読んだ事があるんだ。どっかの地方に髪を炙って髪をセットする人達がいるんだって。でね、それが育毛効果も期待できるって書いてあったの。なんか温める事で髪に刺激を与えるんだって!あ、ジャン頭動かない様に固定してくれない。動くと危ないから」
「「・・・・・・・・・・」」
「はっはなせ。離してくれ!誰か!誰か助けてくれ。なんでもする!誰か!!」
「ずっとやってみたかったのよ。でも練習って中々できないでしょう?練習して上手くなれば将来これを商売にできるかもって思ってて。今後のためにも」
「ぎゃぁぁぁーーーーーーやめてくれ!!!ひぃぃぃ!かっ神(髪)よ!」
「本では細かいやり方とか書いてなかったけど、とりあえず燃やせばいいのよね?よかった、あなたが練習相手なら私も罪悪感が薄れるし」
「殺してくれーーーーーー!!!」
「あら・・・・・・難しいのね。焼け野原って一気に広がるのね。なんだか切ない感じ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私が知っている事は全て話す。いえっ話します。だからもうこれ以上はお許しください。お願いします。助けてください」
「あら?もう?残念ね」
まだ右半分しかしていない。ここはシンメトリーを目指すべきか。
「まぁいいわ。時間ないものね。全部やりきってしまうと結果がわかりにくいもの。また今後の経過をみる必要があるわね」
「おっお許し下さい!なんでもします!貴女の忠実な僕になりますから」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
誇りとプライドを傷つけられ、大切な物を奪われ、心身に大きな傷を残した。焼け野原の広がった頭は戦に負け、呆然とその野原を見つめる敗者の姿でもあった。