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第50話 罠


思いの外、マリア様の誤解を解くのに時間がかかってしまったが、マリア様には納得してもらいリリアはホールに戻った。舞踏会が始まるまでの時間にディオ君には時間を作ってもらいあの娘と会ってもらうようになっている。

しばらくの間、普段は口に入らない高級食品を使った料理を堪能する。まったく、こんなに美味しい料理がたくさんあるのに、みんな食べないなんて何しに来たのかしら。周りを見渡すと姉のように縄張り争いをしている人や、友人などと純粋に王子を待ちわびている人、緊張している人、少数だけど私と同じように食べまくっている人もいた。ああ、同志よ。本当なら私もお腹一杯食べまくりたい。あっ!あの人タッパー持ってきてる!ずるいわ。持ち物検査に引っかからなかったの!?ああ、お話ししたい。是非ともお話ししたい人種だわ。しかしディオ君との約束の時間まで間もない。遅れてしまっては危険だ。

間違っても先にあの二人を先に合わせてはならない。いや、正確にはあの娘が何をしでかすか分からないからだ。他の男が被害に遭うのは致し方ない。幸せには犠牲がつきものなのだから。しかし友人は守らなければ!


「リリア=フォンス様ですね」


料理に背を向け、決意を胸に歩き出すと見知らぬ男性から声かけられた。

小太りで髪はやや後退気味。着ている物は質がよく明らかに貴族。だけど知っている人ではないはずだ。誰だろう。というかこの人。


「いやいや、失礼しました。私は城の文官です。マリア様の護衛官と会うお約束とか。しかし先程マリア様のお部屋にお伺いした際に護衛官どのに急用を申しつけてしまって。約束があると言われていたので遅れる事をお伝えするよう依頼されたのです。

待つ時間が長くなってはいけないので別室を用意致しました。どうぞこちらへ」



うん、怪しい!怪しいよ、おじさん。

何せ危険度は低そうだけど、最近麻痺しがちな私の危機察知能力が発動しておりますぞ。

普通なら会場に戻るのが安全策か。いやしかしなぁ、これ罠だけど、もしや私囮の可能性もあるから下手な動きできないよなぁ。というか正直まだあの一件で疑われてる気もするし。客観的にみて私普通に怪しいよね。急にマリア様の親しくなってお城に出入りして極めつけは招待状融通してもらったからなぁ。

ここは一つ罠に引っ掛かり巻き込まれたか弱い一般庶民であることをしっかり認識してもらった方がいいわよね、うん。


「まぁ、わざわざありがとうございます」


さてさてどうなるのか。とりあえず飛び道具とかで急に襲いかかれない事を祈ろう。


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