表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/59

第36話 その意味

「ねぇ、ティーカップって貰ったらうれしい?」


「突然ですわね、デザインにもよりますわ。何事も実用的でなくては。なので自分でいいモノ見つける方が早いし納得いくと思いますわ。それに今使っているのが割れでもしない限りいりませんわね。まぁ、観賞用のアンティークなら別でしょうけど。お姉さま、私そんな物より新しいモルモットが欲しいですわ。1匹逃げてから足りなくなってしまって。新しく捕まえ様にも最近罠に引っ掛かってくれませんの。まるで逃げ出した子ネズミちゃんが裏で手を引いているかのように」



「・・・・・・・・・リリアちゃま、ボク、ヘヤにカギがほしいでチュウ。なかからしめれゆタイプの」



やっぱりティーカップは貰ってもあまり嬉しくないかな、うん。もっと実用的で相手が気にいってくれる物じゃなければ。もしくは安心感を与える物?




この時リリアの思考回路は完全に汚染されていた。でなければティーカップだって十分実用的だし、欲しいものにモルモットと答えたシンデレラに思いっきり突っ込みを入れたはずだ。




なんであんな物渡してしまったんだろう。ティーカップ・・・それも自分が作ったやつなんて・・・・カイン様扱いに困ってるだろうなぁ。笑ってくれてたけど・・・・いっその事こんな物いらないってはっきり言ってくれればよかったんだけど。




昨日のあれはやっぱり社交辞令か。ああ、きっとあれね、お役所仕事の人は上下関係とかも大変だろうから顔には出さないようにしてるんだわ。うんうん、流石ね。もう少しで騙されるところだったわ。もうこんなことでずっと悩むなんてまだまだね、リリア。




リリアは無理やり自分を納得させた。






「ああ、お姉さま、お姉さま宛てに差し出し人不明の郵便物が届いてましたわ。丁度暖炉に火も点いてますし燃やしましょうか?」



「そうねぇ、気味が悪いから燃やしましょう・・・・って流石に駄目でしょ!渡しなさい」

今にも暖炉に手紙を投げ捨てようとするシンデレラから手紙を奪う。

危ない、危ない。恐らく昨日ディオ君にお願いした物だろう。わざと差出人不明で出してもらえるようお願いしたから。だって王家の紋章入りの郵便物なんか届いてそれがばれたら大変でしょ?私って賢い!



シンデレラから手紙を受け取る。

舌打ちが聞こえた気がしたが気のせいだろう。


そのまま部屋に戻り中身を確認した。中には思った通り招待状が入っている。が前回のと少し外見が異なっていた。文章は同じで紋章も入ってはいるが前は確か銀色縁取りだったが今回は金色縁取りに名前が記入されていない。中にはもう一つ紙が入っていた。手紙の主はやっぱりというかディオ君であり、内容は昨日の件でのこととマリア様と来るのを楽しみにしていると言うような内容だった。

ありがとうディオ君、そしてマリア様。そしてようこそ、逆玉の輿チャンス!!

目指せ、未来の王妃(の姉)と安寧な日々!!




取敢えず第一難問は解決ね。当日までこの招待状は隠しておくとして・・・・次の問題は衣装だけど・・・・まぁ、これはお姉さまのお古を改造して(自分のではサイズが違いすぎる。特に胸部分)靴はな~サイズ的に合わないな。あの娘、足小さいし踊るならピッタリ合う方がいいしね。う~ん、これは後で探しに行くか。髪は私は苦手だから・・・ああ、チュウ吉にやってもらおう。うん、なんとかなるかな。

一番の問題は本人ね。どうすれば行く気になってくれるかしら。あの娘、年頃の娘のくせに色恋ごとに興味ないのかしら?(自分のことは棚にあげる)ないんでしょうね・・・・きっと。欲しいものにモルモットって答える時点で。宝の持ち腐れね。まぁ、これは舞踏会に行って男の人達にちやほや?されたら興味を持つかもしれないという淡い期待を込めよう。でもどうやって釣ろうか。後は食べ物くらいしか・・・・





「お姉さま~お腹すきましたわ~ごは~ん。まぁ、こんなとこに丸々としたネズミが。丸焼き?それとも煮込み汁~」


『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっっっ!!リリアちゃまぁ、早く、早くきちぇくだちゃい!!!。ボクはネズミなのでおいちくないでチュウ!!イヤヤヤーーーーー!!』



「おほほほほほ。元気がよろしいこと。新しい薬の材料にぴったりですわ。さぁ、いらっしゃい。あなたに一番似合うお仕事を与えて差し上げますわ。苦痛なんてありません。ええ、一瞬のことですわ」





・・・・・・・・・静かに考えこと一つさしてもらえないのだろうか、ここは。


リリアはため息をつき部屋を後にした。






久しぶりの更新そして亀並みの話の動きです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ