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第24話 絶体絶命?

 

割れた風船から今度は緑色の粉が舞う。


その粉はディオ君と私に降りかかった。その姿をさっきの着ぐるみが少し離れた場所で見ながら言う。


「反応はいいけど残念♪もう手遅れだよ。さっきのはただの眠り粉。今度は皮膚で吸収するタイプの痺れ粉。新しく調合させたものみたいでね、さすがの騎士さんも動けないね」


「くっっ・・・・・!!」


ディオ君は膝をついて倒れる。それでも腕の中にマリア様を抱いて守っていた。


着ぐるみはゆっくりと近づいてくる。応援はこない。


「応援はしばらく来ないと思うな。他の奴がシールド張ってるし」

着ぐるみが心を読んだかのように話しかけてくる。


まずい、このままでは・・・・


「んじゃぁ、お仕事しよう・・・・んぎゃぁ!!なんだ、これ前が見えない!あうっ」


プッシュー


その音ともに着ぐるみの顔面めがけて黒い何かが飛んできた。その後何かに足をとられ転倒する。


「必殺!!タコ墨で不意打ち攻撃!」


「タコ墨!?え、何!?あんたなんで動けるの!??」


しびれ粉は皮膚を介してすぐに血中に流れるはずだ。速効性も高い。なのにこの声は姫の隣にいた女だ。動けるはずがない。


「ふっ・・・私を甘く見ないで頂戴。シンデレラの姉となって10年!この10年何度あの娘に味見と称した毒見・・・いいえ、あれは完全なる毒!何度死にかけたか。そんじょそこらのものが私に効くと思わないで頂戴!!」



「・・・・・・・・」


「・・・・・・・・」


着ぐるみ暗殺者(命名)は無言だ。ついでにディオ君も。



「・・・あなた、着ぐるみ脱げないのよね?自分がまいた粉がまだ空中にあるから。自分も触れると不味いから脱げないのよね?」


ぎくっっ・・・・・


リリアは質問するように声をかけるが確信しているかのようだ。というか当たりである。

直接あびるわけではないから効果も薄いだろうが仕事の後逃げるときに命取りになる。しかも速効性がある分長続きしない・・・こんなことなら解毒剤貰っとけばよかった。

着ぐるみを脱げない、でも脱がないと見えない!!

着ぐるみ暗殺者はジレンマに襲われた。



「そんなあなたにプレゼントです!」


リリアはそう言うと今だこけて仰向けになっている着ぐるみ暗殺者に近寄り、着ぐるみの頭部を少しだけ開き・・・・そして何かを入れた。



「んぎゃぁぁぁ~~~~~なっっなんがいる!!ひゅあっっ!!」


「まだまだ新鮮ピッチピッチな、まだこのタコさんですよ。ついでにさっきあなたに墨をかけたタコさんでもあります。いや~市場は新鮮で安いものが多くていいね。思わずこっそり買っちゃたんだよね。まさかこんな形で活躍するとは・・・ありがとう、タコさん。そしてお元気で。新しい飼い主さんに可愛がってもらうんだよ?立派な酢の物になるんだよ?」


「だれが飼うか!!って、最後食べるんかい。しかも酢の物!!」


「えっ?煮物の方がいいって言ってる?でも今日はそんな気分じゃなかったの。ごめんね?」


「・・・根本的に違うと思いますよ」

と言うか、今までどこに隠してたんだ。そのタコ。

ディオ君がしゃべれるようになったのか、はたまたこれ以上はNGとでも言いたかったのか口を開いた。


「ディオ君、マリア様大丈夫?」


「ええ、眠り粉を吸ってしまったよう・・・・」


ディオ君の言葉は最後まで続かなかった、というか続けれなかった。私の方を見て眼を見開いたまま固まってしまった。


不審に思い私は後ろに振り向く。




その先には綺麗な緑色の瞳の奥に闇色を宿したカイン様の姿があった。







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