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第20話 体験学習


ぐにゅっ・・・


べちゃっ・・・・



「・・・・・」


「ディオ君意外と不器用ね。それに比べてマリアはうまいわ」


「ほんとっ!?リリア姉さまもとっても上手ね」


私たちは今陶芸体験をしている。『ストラパ工場』とは生活用品などを作る工場であり、他にも輸入物などの取り扱いやいろんなことをしており、男たちが汗水流して働いているところでもある。

以外にも東洋からの輸入物の陶芸体験ができるコーナーがある。私も昔食器を安く手に入れるためにここに来てわかったことだ。

お年寄りから結構若い人もハマると楽しいと評判だ。作った陶器を持って帰ることもできる。

 田舎から出てきた従妹たちを案内する設定のため敬語は使わず会話をした。マリア様も肩の力が抜けたのか普通に話してくれる。


私とディオ君が『轆轤回し』、マリア様は『手びねり』という方法でそれぞれやっていた。初心者の人には職人さんが指導をしてくれる。


「嬢ちゃん、形を作ったら文字や絵も描けるぞ」

職人さんがマリア様の作品を指導しながら言う。


「ええっ絵も描けるの?なに描こうかなぁ~」

マリア様は嬉しそうに考える。



「これやくの?熱いよ!!とけないの?」


エプロンは着けているが手はもう泥だらけだ。顔にも付いている。でもそうなのは気にしないと言うように職人さんにいろいろ聞いていた。職人さんもあれが何焼きの窯だとか、陶芸の歴史がどうやらと話していた。




「・・・ディオ君、一緒に作ってあげようか?」

マリア様は『手びねり』という、形をつくりやすい粘土で作っているため初心者でもうまくできたが、ディオ君は難しい『轆轤回し』のやり方だ。しかも1人でやろうとする。今もうまく作れず恐らく茶碗でも作ろうとしていたものがぐちゃぐちゃになっていた。


「・・・大丈夫です。」

ディオ君はそれでも1人でやろうと頑なだ。


「でも、日が暮れちゃうよ?」

ちょっとばかし嫌味に言う。それでも彼は折れない。


「・・・もうすぐ完成します。」

ディオ君は縁がぐにゃぐにゃの平べったい器を作って言う。ちょっと拗ねている感じがしておもしろかった。


「そう?んじゃぁ、いいけど。出来たら絵を描いて、後は職人さんに焼いてもらうの。焼いてもらっている間に町でいろんな物を見よう」


私がそう言うとマリア様は笑顔で返事を、ディオ君は少し不貞腐れた顔で返事をした。


・・・・・・・やばい、ディオ君の反応が病みつきになりそうだ。



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