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第2話 すべてのはじまり


今思えばあの日から私の人生は狂い続けている。


10年ほど前お母さまは再婚をした。しかも伯爵家と。元々成り上がり成金に嫁いでいたお母さまは上機嫌。私も妹という存在に胸をワクワクさせながら新しい家族と会う日を待ち望んでいた。そして待ちに待ったあの日、私はその日まで妹というものを望んでいた自分を呪った。



「はじめまして、お姉さまたち。わたしの名前はシルヴィアです。どうぞよろしくお願いします」

と、だれからも愛されるようなかわいい女の子が私に話しかけてきた。

お姉さまは話しかけられたのを分かっているはずなのに無視してお母様のところに行き、シルヴィアは顔をシュンとさせたけど長年妹という存在を欲しがっていた私はうれしくなった。こんなかわいい妹ができるなんて。私がこの子を守ってあげなくては!!そう思い、

「はじめましてシルヴィア。私の名前はリリアよ。仲良くしましょうね。あっちに行ったのがマリーお姉さまよ。ちょっと意地悪なの。だけど私が守ってあげるわ。」そう言うとシルヴィアは笑顔になり

「ほんと?リリア姉さまはわたしを守ってくれるの?」大きな目をキラキラさせてシルヴィアが言いました。

「ええ、ほんとうよ。シルヴィアを苛める子がいたら守ってあげるわ」


「じゃぁ、約束の証にシルヴィアを守るってサインして!!」


シルヴィアが紙とペンを差し出しました。紙にはなにかわからない文字が並んでいた。

「ここよ。ここにリリア姉さまの名前をかいて」

私は不思議に思いながらも言われるままペンをとり、


 “リリア=フォンス”

と名前を書き終えた直後

ビリッ 感電したように体中の体が一瞬縛られる感じに陥った。すぐそんな感覚はなくなり不思議に思っていると


「ふふふ、ありがとう、お姉さま。うれしい。これでお姉さまはもうわたしの下僕ね!」

  ・

  ・

  ・

「へっ」


「うふふ、あのねお姉さま。わたし最近黒魔術にはまってるの!おもしろいのよ。今の紙は名前を書いたらその紙を作った人の下僕になる魔法なの!すごいでしょ?さっきしびれる感じが走ったの。術は成功したのね。うれしいわ!!」

満点の笑みでシルヴィアは言われたその言葉・・・・・・


この時リリア7歳、シルヴィアわずか5歳のことです。

お義父様が亡くなりお母様とマリーお姉さまがシルヴィアを苛めだしてから今日に至るまで私は影ながらシルヴィアを助けてきたのです。


強制的に・・・・





私はあの日天使の皮をかぶった悪魔に出会いました。

幼く、純粋な私は簡単に罠に引っ掛かりました。

あの日以来私は悪魔の下僕・・・・妹思いのやさしく献身的な姉となったのです。




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