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第13話 2人の打ち合わせ

 

 部屋の中はさほど大きくなく2つのイスと丸いテーブルが用意されていた。男は椅子を引き私が座ることを促す。

「ありかどうございます」

お礼をいい席についた。カインは微笑んだままだ。正直こういう扱いには慣れていない。社交界にも必要最低限の時しか出ないし、レディ教育も姉ほどしっかりやろうとはしなかった。

初老の男が私たちに向かって一度深いお辞儀をし、そのまま部屋を出ようとする。

まって、行かないで!セバスチャン、2人にしないでっ!!

そんな思いもむなしくドアの閉まる音が異様に鳴り響いた。


  「・・・・・」


「フフ。ところで昨日は名前を聞かずじまいだったのでお名前を教えて頂けますか?」

正直カインは昨日のうちに名前など把握済みであるがそんなこと本人の前で言えるわけがない。


「失礼しました。私、リリア=フォンスと申します。」

そういや名前も言ってなかったか~これ失礼に値するのかな?


「可愛らしい名前ですね。リリア嬢とお呼びしてもよろしいですか。」

カインは満天の微笑みで問いかける。


・・・・可愛い。いくら名前に対してでも免疫がない私は固まってしまう。落ち着けリリア!相手は社交辞令とやらを言っているのよ。負けるな。


「光栄ですわ」

頬が引き攣りながらも笑って返した。多分笑えていたはずだ。例え淑女の微笑みにはかけ離れていようとも。


「あまり固くならないでください。楽にして頂いて結構ですよ。ここには私たちしかいませんから」

カインは落ち着かせるように笑顔のまま言う。が、

それがある意味一番嫌なんじゃっ!!と思うが言葉にできない。


「お気づかいありがとうございますわ。でも大丈夫です。さっそくですが例の件の打ち合わせを致しましょう。貴方様もお忙しい御身分でしょう」

失礼な言いかたかな?と思いつつも仕事をしに来たのだからと自分に言い聞かせる。



「・・・そうですね。では始めましょうか」


   カインは少し考えてから答えた。今度は笑顔ではなく真剣な顔で


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