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サンタさんからのプレゼント〜綾目視点〜

ヤンデレを見てたら書きたくなったので書きます。

 二ヶ月前、私はみっくんと再会した。


 その日、私は相模原に用事があったので相模原に向かっていた。

 相模原は私の故郷であり、みっくんとの思い出の場所。

 そんな思い出深いところで私はみっくんと再会した。


 何となく、本当に何となくみっくんの家に向かっていた時にみっくんを見つけたのだ。

 あの時から成長していたけど一目でみっくんだとわかった。

 一目見たら満足するつもりだったが、みっくんの家に行かずとも会えたことが嬉しくなっちゃって、つい声をかけてしまった。


「あ、あのすいません」

「ん?どうしました?」


 久しぶりの肉声が聞けて更に嬉しくなった。


「コンビニってどこにあるかわかりますか?」

「コンビニですか?それなら目の前にありますよ」


ここで「あ、ほんとだ!」なんて言ったら終わってしまう。だから私は、


「七じゃなくて家族を探してるんです!」

「あー家族ですか?それならあそこを右に曲がってもらえば確かありましたよ」

「そうなんですか?でも、私重度の方向音痴なんですよ。だから案内してもらえませんか?」

「え、うーん、まぁいいですよ」


 やった、まだみっくんといられる。


 ずっと会いたかったみっくんと会えたこと、愛しのみっくんとまたこうして並んで歩けたこと。

 これだけで私の心は満たされていた。

 満たされていたのにみっくんが、


「あ、着きましたね」


 まだ一緒にいるよね?


「では、これで」


 これは聞き間違い?


 みっくんは歩き始めた。

 聞き間違いなんかじゃなかった。


 ねぇ、待ってよみっくん。久しぶりに会えたんだよ?感動の再会なんだよ?だから、私から離れないでよ。お願い。歩かないで。振り向いて。

『何してるの?早く来なよ』って声をかけて。お願い。


 そんな想いに気づいていないのかみっくんは歩き続けた。


 やめて、行かないで。

 みっくんのいない人生なんてもう嫌。


 そう思うと体が勝手に動いた。

 みっくんから数m離れているところからみっくんの後を追った。

 

 追い続けて数分みっくんが住宅街に入った。

 そして、私が行こうとしていた一軒の家に入っていった。

 そこは昔よく行った場所。みっくんの家だ。


 よかった、みっくんの家は変わってない。

 鍵交換もしてないよね?


 平日休みの日、私はみっくんの家に向かった。


「あ、みっくんだ」


 みっくんは眠そうにしながら家から出てきた。


 制服姿だ。かっこいい!


 そのまま後ろについて行き、バス停で待ち、バスに乗る。そして学校に入っていく。

 引っ越さなかったらみっくんの横に私がいたはず。

 そう思うと少し悲しい気持ちになった。

 しかし、私はある考えに至った。

 同じ学校に通えばいいじゃないか、と。


 その考えに至ってからの行動は早かった。

 まず、ストーカー被害に遭っているかのように工作した。

 手紙を書いたり、自分の家にイタズラしたり、関係者以外入れないところに手紙を置いといて身内犯の可能性を浮上させたりと色々した。


 そして、そのような行為を長期的に行ってから社長に相談した。ストーカーが怖いってね。


 社長がみっくんのお義父さんだってことは知ってたいたので、どうにかみっくんを彼氏役にしてもらえないか頼んでみた。


 社長は凄く悩んでいた。

 そんなに悩むなら『じゃあ、瑞季を君の彼氏にしよう』って言えばいいのに中々言わないので、


「社長、幼馴染である瑞季くんを彼氏にしてほしいです」

「うん、綾目ちゃんはそれで安心できるのかな?」

「多少なりとも安心できると思います」

「そうか…でも、息子を危険な目に遭わせるわけにはいかないよ」

「社長、息子さんが大切な気持ちもわかりますがアイドルが襲われたなんて事が起きたら他のメンバーたちは安心してアイドル活動なんてできません。多少のリスクを取ってでもアイドルの安全を確保すべきです」

「うーん…その多少のリスクに大切な息子を巻き込む訳にはいかないよ」

「じゃあ、私は毎日怖い思いをしながれアイドル活動をするんですか?」

「何かしらの対策は取るよ」

「社長、犯人がわからない中での対策なんて意味がないです。というか対策のしようがありません」

「どんな、対策を取っても安心できないんだね?」

「はい。せめて犯人がわかってからの対策じゃないと安心できません」

「そっか…」

「社長!」

「…わかった。瑞季に頼んでみるよ」

「ありがとうございます!」

「でも、やるかやらないかの判断は瑞季にあるかるね」

「はい」


 みっくんなら引き受けてくれるよね?昔と同じように。


 そして、今日がその日。

 社長が大きな声で、


「瑞季ー!ちょっと降りてこーい!」


と言った。

 数分後にドアの開いた音と階段から降りてくる足音がした。


「おっ、来たな瑞季」

「なんだよ親父こんな朝っぱらから呼んで。何のようだ?」

「お前に彼女を紹介しようと思ってな」

「親父…」


 彼女という言葉に少し恥ずかしくなった。


「親父…長らく夜の方がご無沙汰だったからって中学生に手を出すのはダメだろ…」

「父さん相当溜まっててな…って風俗に行ったりしてるわ!あ、いやそんなことはどうでもよくてな」


 みっくん?私はみっくんの彼女だよ?


「この子は俺の彼女じゃなくてお前の彼女だ」


 そうそう、みっくんの彼女。


「あーなんだ俺の彼女か…ってえ?俺の彼女?なんで?」


 みっくん?忘れたの?昔約束したじゃん。大きくなったら結婚しようって。


「俺がアイドル会社の社長だってのは知ってるよな?その俺の運営してるアイドルの『霧島 綾目』ちゃんがストーカー被害に遭っているらしくてな。

しかも犯人は身内…つまり運営側の人間かもしれないんだ。それでお前には犯人が分かるか捕まるまで彼氏役として綾目ちゃんを守って欲しいんだ」

「事情はわかったが何で俺なんだ?自分で言うのもなんだかめちゃくちゃ弱いぞ?俺」

「理由はすごく単純だよ。犯人がわからない以上運営側の人間には護衛役を任せられない。それならいっそアイドルに興味のないお前に任せたら安心だろうって思ったんだよ」


 私からの要望だって伝えないのはなんでだろう?

 隠す必要あるかな?まぁいいや。


「突然すみません…こんな危ないことを請け負ってもらってしまって…」


 うぅ…久しぶりに話すから畏まっちゃった。


「綾目さん、その…あの…」


 綾目さん?みっくんも緊張してるのかな?


「はい?どうかしました?」

「あ、いやその…なんでもないです…」


 なんだったんだろう?


 しばしの沈黙の後。


「そう言えば二人はまだ自己紹介してないだろう?自己紹介でもしたらどうだ?」


 自己紹介なんてする必要あるのかなぁ…

 そう思ってたけどみっくんは


「あぁ…と…初めまして?俺は藤田 瑞季…です。高一です。よろしくお願いします…」


 初めまして?違うよねみっくん。久しぶりだね!だよね?何でそんなこと言うの?私のこと忘れたの?嘘だよね?私はみっくんのこと忘れたことないよ?なのにみっくんは私のこと忘れたの?嘘だよね?ありえないよね?だって会う約束したもんね?将来の約束だってしたもんね?

 あ、髪色が違うからわからないのかな?

 アイドル活動のために髪を染めてること言わなきゃ。

 でも、私から言うのはなぁ…

 みっくんに気づいて欲しいから黙っとこ。


「私は霧島 綾目です。瑞季さんと同じ高校一年生です。これからは瑞季さんの彼女としてよろしくお願いします。今回はこんな危険な役目を請け負ってもらってありがとうございます。」

「護衛役として頑張りますね…って高一なんですか?」

「…?はい?そうですけど…何かおかしいですか?」

「あ、いや中学生ぐらいに見えたもんで…」


 本当に覚えてないんだね。髪変わったのが相当大きかったみたい。

 でも、みっくんならすぐ思い出してくれるよね?

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