1/2
1
駄文とはなりますが、悲恋ものがお好きな方には楽しんでいただけると思います。
目の前にいる、昨日まではなんの気兼ねもなく愛してた人へ目線を向け、ねぇ、と呼びかける。ん?って首を傾げながら此方を向く愛おしかった人へ、一言、言うために息を吸う
「別れて欲しいの」
私を凝視して、それから静かに涙を流す貴方を見て、胸が凄く痛んだ。けれど、とても嬉しかったな。
「…わかっ、た…ごめん…泣いてしまって…」
私だってきっと涙ばかりで、嫌な女にしか見えないだろうに。貴方が謝るのは違うじゃない。でも、そんな優しい貴方だから大好きだったの。
「ごめんね。いきなり。」
早く私のことを忘れてね…
「んーん…それだけ俺に不満があったんでしょ?玲衣は何も悪くないよ」
優しすぎるんだよ…春翔は。だから、一緒にいるのが辛いんだ。
優しい貴方が大好きだったけれど、大嫌いなの。
愛おしいほどに憎らしい、とはよく言ったものね。
次のお話はこの時点の春翔目線となります。基本的には玲衣→春翔→玲衣 と交互になると思われます。