第一夜
今日は、真夜中に雨が降る。ぱらぱらと、まるでドラムのように軽快な音を立て、梅雨がやってきた。眠れない。雨音を頭上に感じながら、遠く離れた屋根を見つめ、そう思った。
だから私は、筆を執ることにした。
今日、正確には昨日。私が執筆したのは、計五千文字ほどである。ひどく、少ないなあ、と他人事のように思う。その五千文字のなかに、私は伝えたいことを詰め込められたのだろうか、と考えてみる。
その五千文字ほどで、やっと一万字の世界に到達できそうだ。と、ひそかに喜びが湧く。活動場所はカクヨム。ペンネームは旧星零。カクヨムのサイトは、お手軽で、文字を綴るのが楽しい。創作する仲間が、ウェブ上でできた。この指先ひとつで。
私は哲学をもっている、つまり誰かに伝えたいことがある。それは定まっているのに、上手なトッピングや、デコレーションする技術が、私には足りていない。
だから、だからこそ誰かの創作論を聞く。誰かの小説を読む。その小説に感想を書く。小説家になるためでは無く、小説を書くために。
私は美味しいスイーツが好きだ。だから私が作るものだって、可愛らしいスイーツに仕立て上げたい。
私はいつか、木嶋ミントとして小説家になろうで小説を完成させたいと思っている。そのために、まずはカクヨムの甲子園に出場したい。
すでに、私のカクヨムの作品には応援のハートマークを押してもらった。それは無言のサインで、どんな熱に満ちたタップだったかはわからない。
それでも、勇気をもらえた。これが勇気でなかったとしても、やる気を育てることができた。
おかげでこうして、最低限文字数の200字を超えることができた。ほんのささいなサインが、ハートマークが、私という花に水を与えてくれた。
いつの間にか、雨はやんでいた。頭上から、雨音が聴こえなくなったのだ。そのかわり、窓の外から車の走る音が聴こえる。夜更かしは、私だけではないのだと知る。
雨が降り始めてから、雨がやむ間。私はただ、まさに徒然なるままに、文字を綴っていたのだと思う。
さあ、もう寝よう。眠れない夜に、筆を執るため。明日もまた、小説を書くために。
とうとう、この作品も千文字になりそうだ。もし、つぎもまた千文字を目指して筆を執るのならば。そのときは、何を綴ってみようか。徒然なるままに、日暮らす日々は、あっけないからこそ面白い。私にとっては。
あ、もう明日は今日だった。おやすみなさい。そしておはよう。