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92話「命懸けの死闘! 奥義よ届け!!」

 怖気走る黒い雷をまとい、ジダ公は「くああああ!!」と音速で迫ってくる。それに対して太陽の剣(サンライトセイバー)を盾に身構える。


 渾身の拳が剣を折らんと迫り来る。しかし受ける刹那、電撃纏う拳の勢いを乗せるように運動と力のエネルギーを全て移し替える事で吹っ飛ばされる剣を、しっかり握ったまま足を(じく)にグルリと回転して「おおおお!」と叫ぶ。

 ジダ公は見開き、咄嗟に片方の腕を曲げて防御に構える。一回転した太陽の剣(サンライトセイバー)がその腕にめり込み、外殻にヒビが走る。ビキッ!

「グッ!!」

 それでもジダ公は執念で、もう片方の腕を振るってフックを放つ!


 ドギャァアッ!!!


 ジダ公の拳が頬を穿ってきて、オレの剣がジダ公の腕もろとも肩を痛打。正にクロスカウンターの形に相打ってしまう。

 しかし二人分の力を振るうオレの一撃はジダ公を遠くまで吹っ飛ばして、ズガアアァァンと瓦礫が飛び散る。

 衝撃と激痛に「ぐ、ぐあっ」と少しばかり後ろへ仰け反る。



 天を衝くように黒き雷が噴き上げ、地響きを起こす。


 再びジダ公が黒い稲光を引き連れて音速で突進する。

 剣を正眼に構え「流星進撃(メテオラン)──」と地を蹴る。が、ジダ公は突進するフリして左右の拳で太陽の剣(サンライトセイバー)を挟み込んでバキャンと砕く。


 ジダ公は「死ねぇぇえ!!」と首を折る勢いで、上段回し蹴りをズドンと直撃させた。堪らず「がっ!」と血を吐いて意識が途絶えそうになるが、必死に気力で踏ん張る。


「そのまま二十連星だッッ!!!!」


 折れた剣のまま、一瞬連撃をジダ公の全身に叩き込む。ガガガガガガガガガガッと重なる激突音と衝撃が炸裂。ジダ公は激痛に見開き「ぐぎが、があああ!!」と吐血。

 全身血塗(ちまみ)れになってもなお執念でオレの胸倉を(つか)み、拳の連打を機関銃のように超高速で何十発も撃ち、痛々しく血飛沫が飛び散る。その衝撃だけで後方の道路がズゴゴッと(めく)れ崩壊していく。

 連打を喰らい、血塗(ちまみ)れになり「が、ぐあああ」と苦悶に呻く。視界が(かす)んで、意識を失いそうになる。


「終わりだァァァア!!!」


 殺気漲らせジダ公は顔面を砕かんと拳を振るう。が、こっちも負けてられないと戦意の眼光を煌めかせ、死ぬ気で気力を振り絞って「流星進撃(メテオラン)──」と太陽の剣(サンライトセイバー)でジダ公の頬に当てる。ドッ!


「三十連星────ッッ!!!!」


 ジダ公の頭を集中的に一瞬連撃を叩き込み、ズガガガガガガガガと衝撃音が重なって響き渡った。そのまま連撃を食らわしながら「更にィィィ、四十連星ッッ!!!」と更なる追撃を撃とうとする。

 ジダ公が「させるかあぁあ!!!」血を吐きながら、渾身の拳でみぞおちを深々と穿ってきた。ドン、貫くような衝撃が背中から突き抜けた。


「ぎはあっ!!」


 たまらず身を屈めて盛大に吐血。ジダ公は「くああああ!!」と血眼で黒き稲光纏う拳を振り下ろして、腕が壊れても構わんとばかりに機関銃以上の超高速連打で背中を殴打してくる。そのままオレを地中に(うず)める勢いで徹底的に打ちのめしてくる。ズズズン、と衝撃波の噴火が連鎖して吹き上がる勢いで繰り返された。

 それでも負けじと歯を食いしばって、飛びそうな意識を必死に繋ぎ止める。ギリ……!


「おおおおおおあああッ!!!!」


 全霊尽くして這い上がる勢いで、斬り上げの一瞬連撃がジダ公の全身を完膚なきまで滅多打ち。血飛沫が放射状に舞う。


 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!


「ぐがあぁあ、がああぁ、ぐああ、ぐあがあぁあぁぁがああ!!!」


 ズッドオオォォォォン!!


 噴火のように噴き上げる凄まじい衝撃波が破裂し、周囲の瓦礫や残骸を吹き飛ばし、地響きと共に旋風が辺りを薙ぎ払っていく。なおも余波が地面を荒らし回り破片を飛ばし、稲光が放射状に飛び散ってあちこち砕いていく。

 ヤマミも「きゃあああ!」と風に煽られて黒髪が後ろへなびく。


 ゴゴッ! 最後に衝撃波の津波が辺り一面を押し出していく。シュウウ、煙幕が立ち込め、石礫がパラパラ落ちていく。

 見渡せば瓦礫も細かく砕かれ、より平らになっているようにも見えた。



 煙幕の中から一人の人影が浮かぶ。ヤマミは「あ……ああっ……」と青ざめる。


 なんと荒い息をしながら血塗(ちまみ)れのジダ公が笑んでいた。

 相当なダメージを受けてたらしく外殻の至る所に亀裂が走っており、身を屈めたまま苦しそうな姿勢だが、漲る殺意は健在だ。


「バ、バカが!! オレの猛攻を浴びた後に、自身の体に大きな反動を受ける大技を撃って自滅しおったわ……!! ク、クハハハハ!!!」



「ジ……ジダ公! まだ……終わっちゃいないぞッ!」

「な、なんだとッ!?」


 ジダ公は見開く。なんと少し離れた煙幕からナッセが屈めたまま、辛うじて立っていた。

 はぁはぁ、荒い息が絶えない。そして未だ血が滴り落ちている。

 二人共、瀕死一歩手前の満身創痍。されど二人の威圧は以前以上に(たか)ぶっていた。その影響でパチパチ、空気があちこち弾けていく。


 二人の視線がぶつかり合って火花を散らすみたいな状態だ。


「──オレは負けない!!」

「ナニ!?」

「自由になったヤマミと一緒に異世界へ行くために、ここは負けられねぇッ!!」


 沸騰するように(たか)ぶる激情を胸に、剣をガシッと握り直す。

 ジダ公は驚きに見開く。今まで臆病で内気な雰囲気だったのが、今や激情に身を任す血気(けっき)(さか)んな(おとこ)豹変(ひょうへん)しているのだ。

 そして前以上に噴き上げていくナッセの威圧。その影響か、大地は地響きを起こし、大気がピリピリ震える。


 ヤマミは身を震わせ、次第に涙を(こぼ)していく。

 こんな時でもナッセは自分と一緒にと夢を語ってくれる。胸が張り裂けるような熱い高揚感が(あふ)れ出す。


「ナッセェ…………!」


 頬を止めどもない涙が流れる。



「それは(むな)しく(つい)える! 今ここでオレに殺されてなッ!!」


 ドウッっとドス黒い稲光を全身から噴き上げ、ジダ公は悪魔の笑みを見せた。尋常じゃない殺意を(あら)わに、全身の黒い稲光が竜の頭を象っていく。

 周囲に飛び散る黒い稲光が、あちこち砕いていく。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


「この全身全霊込めた最大奥義をキサマ一人にブチ込んで、オレが最強を目指す一歩として踏み砕いてやる! 光栄に思えッ!!!」


 おぞましく黒き雷が変形し、ジダ公の左右から黒き翼を伸ばして、大きな龍の頭が上昇して膨れ上がっていく。更に威圧が膨れ、地響きが激しくなっていく。


「それでもジダ公! オレは、あんたを越えて夢を叶えてみせる!」


 怖気付かず剣で構え、周囲に波紋があちこち浮かぶ。その波紋が収束して(しずく)となり、太陽の剣(サンライトセイバー)の宝玉として収束されていく。

 無数の(しずく)が続々と集中されていって凝縮されていく。


「あ、賢者の秘法(アルス・マグナ)ッ!!?」


 足元の地面がボコッとクレーター状に陥没し、螺旋状に渦巻く形状と一本だけ真っ直ぐ長く伸びた刀身の超巨大な銀河の剣(ギャラクシィセイバー)(たずさ)える。

 その雄大な武器を持つナッセに、ジダ公はゾクゾクと打ち震えた。


「受けてみろ────ッ!! このオレの最大の奥義をッ!!」


 オレは(シールド)を足場に、(はる)か上空へと高く跳躍(ジャンプ)し続ける。



(ちり)に消し飛べぇぇいっ!! 黒雷龍(こくらいりゅう)邪皇爆雷波(じゃおうばくらいは)ァァァァ!!!」


 上空のナッセに向かって、巨大な黒龍が超高速で放たれた。咆哮のような轟音を伴って、周囲に電撃を散らしながら、獲物を食い破らんとアギトを開く!!


 ギャアアアオオオオオオオオオオオ…………ッッ!!!


 ギンと見開き、(シールド)を蹴って銀河の剣(ギャラクシィセイバー)を振り下ろしながら黒龍へ急降下。

 渾身の力を込めた銀河の剣(ギャラクシィセイバー)が、ジダ公の黒龍に激突!!!!


 ガッ!!


 なんと銀河の剣(ギャラクシィセイバー)が黒龍の頭部分を砕き、電撃が弾けた。


 されどあくまで先端が竜の形に(かたど)ってるだけ、まだ奔流(ほんりゅう)として放射されているエネルギー波全てを弾かない限り破ったとは言えない。

 故に、ジダ公はなおも黒龍に全ての力を注ぎ込み続ける。


「破れるものなら、破ってみやがれぇぇぇえッ!!!!」

「このまま突き破って────ッ!!」


 ジダ公と互いに吠える。

 破竹の勢いと、奔流(ほんりゅう)を斬り裂き続けながら降下を続ける。しかも勢いが弱るどころか、更に加速していく。まるで黒き奔流(ほんりゅう)を吸収して力を増すかのようだ。

 ジダ公はその妙な力に見開いて驚愕。汗が頬を伝う。


「オレはァ────ッ!!!」


 この奥義だって、オレ一人じゃ取得は絶対できなかった!!

 ヤマミが一緒にいてくれたから! そしてマイシが戦ってくれたから!!


 それに応えたいと想いを爆発させる事で、ついに奥義を取得できたんだッ!!!


 振り下ろしたままの銀河の剣(ギャラクシィセイバー)と共に、黒き奔流(ほんりゅう)を裂き続け「ジダ公に勝ァ────つ!!!」と裂帛(れっぱく)気合(きあ)いで叫ぶ。

 燃え上がるような熱血が体を熱く(たぎ)らせ、更なる力が湧き上がっていく。


 その(あふ)れる熱き想いを込めた最高の奥義を、ジダ公にも届けたい!!



「ギャラクシィ・シャインフォォ────ル!!!!」


 ついに銀河の剣(ギャラクシィセイバー)がジダ公の頭に届き、怒涛(どとう)の勢いで強烈に叩き伏せた。


 ズガゴォォォォォォン!!!!


 天から降ってきた大きな流星が地上を穿つ勢いでジダ公を打ちのめし、波紋のように衝撃波の津波が高々と広がった。

 周囲を吹き荒れて台風のように烈風が荒れ狂っていく。

 ヤマミの前にウニャンが降り立ち、ウニ型のバリアを張る。


 しばしして煙幕が立ち込め、大きなクレーターの深い底で二人の重なった人影が(あら)わになった。

 前のめりに地面に頭を(うず)めるジダ公と、その後頭部に剣を付けたまま足を浮かせて硬直するナッセ……。

 その様子にヤマミは固唾を呑む。


「グ、グァハッ……!」


 ジダ公はたまらず表情を歪め、吐血し、ズズンと仰向(あおむ)けに倒れる。

 終わった、と肩を上下させて息を切らし、力が抜けて足が地面に触れるとしゃがみ込んだ。


 しかし勝利を実感して昂ぶっていき、剣を握る拳を振り上げた。


「やったぞォ────────ッ!!」



 ドワアアアアアアアアアアッ!!!!


 モニターでその行方を観ていた創作士(クリエイター)たちは歓声で沸く!

 ケン治はその決着にショックを受けて呆然とする。マイシは嬉しそうに笑んで「やったし!!」とガッツポーズする。

 ヤマミは緊張が解れ、安心した笑顔に綻ぶ。そして嬉し涙が頬を伝う。


「ナッセ……やったね!」

あとがき雑談w


 モニターでナッセとジダ公の一瞬連撃の応酬が繰り広げられている。


クッキー「うおおおお!!! 連打連打連打ァ────ッ!!」

アリエル「そのまま行け行け行け行けぇ~~~~!!」


 興奮して拳をぶんぶん振り上げる二人。

 ヤミロはほくそ笑みながら、パリパリとポテトを食べてるw


クッキー「で、出たっ!! ナッセの奥義がっ!!!」

アリエル「普段、約5万だった威力値が15万超えたわよぉ~~!!」

クッキー「ジダ公の黒雷龍(こくらいりゅう)邪皇爆雷波(じゃおうばくらいは)だって、12万超えてるよっ!!」


クッキー「マイ弟子いっけ────ッ!!」

アリエル「行きなさぁ~~~~いッ!!」


 ナッセがジダ公を打ち伏せた瞬間、二人は歓喜に抱き合った。


クッキー&アリエル「決まった────────────ッ!!」


ヤミロ「ククク……、思いっきり酔っぱらってるから()もろ出てんなw シラフになった時、(もだ)えてそうだぜw まぁオレにはどぉでもいいがなw」




作者(´・ω・`.;:(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;: サラサラ..


 まだ他のメンバーの戦い残ってるのに、この一戦で燃え尽きたッ……w



 次話『黒幕の登場!! やはり糸を引いていたのはッ!?』

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