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89話「前代未聞の難敵! うどん魔人!!」

 いつの間にか敵母艦の上だけじゃなく、ビルのモニターや、避難シェルター内のモニター、創作士(クリエイター)センター、仮想対戦(バーチャルサバイバル)センターのモニターにも映るようになっていた。

 人々は固唾(かたず)を飲んで、戦いの行方を見守っていた。ズズ……!



 ついにノーヴェン、ミコト、コマエモンが揃って、インテリスリー再び!


「行きマース!!!」


 ノーヴェンの無数のメガネによる変幻自在のメガネビームの弾幕と、ミコトの召喚されたモンスターによる波状攻撃と魔法や罠カードの支援によって、押し寄せてくるうどんの洪水を退けていた。

 満を持してカッとコマエモンは見開く。


雷電流(らいでんりゅう)居合術いあいじゅつ飛閃乱舞(ひせんらんぶ)!」


 居合い斬りの乱射で、周囲のうどん触手を細切れに切り散らす。どんどんと細切れに散らし、ついに本体のマー坊がむき出しになる!

 そこをノーヴェンのメガネビームを束ねた集中弾を浴びせる。だがマー坊は手足を扇風機のように超高速回転してバシバシ弾ききっていく。しかし弾幕を撃ち続ける事で、マー坊の手足はボロボロに削っていった。


「ヨシ! 今デース!!」

「ホワイト・マジシャンで攻撃DA! 聖・魔・法(ホーリー・マジック)!!」


 ミコトに従い、イケメンの白い魔導士は杖から白い電撃玉を放つ!

 その光球は唸りを上げて電撃を迸らせ、無防備となったマー坊へ真っ直ぐ飛んでいく。ゴオッ!


 固唾(かたず)を呑む一同。それを嘲笑うかのようにケン治は怪しく笑んだ。



「あがあああああぁぁぁあぁあああああぁぁぁ!!!」


 マー坊は怒号を吠え、周りにうどんの障壁を生やす。ウドドドッと規模を広げていって、弾かれた光球がバチッと電撃を散らし消えた。

 ノーヴェンは「ワッツ!? まだ力が……!?」と驚く。

 更に規模を増やしてうどんは生え続ける。それは上空へと伸びていって、触手同士が絡み合っていく。まるでなにか人型を取るかのように見える。ググ……。


「!!!!」


 凄まじい威圧を感じてノーヴェンたちは反射的に仰け反る。



 なんと、白い巨人が(そび)えているではないか。

 触手が絡み合って、筋肉隆々で上半身が膨れた体格の巨人。頭部分はハゲでポニテ。顔は細目、ちょび髭が象られる。


「うどん魔人だ────ッ!!!!」


 誰もが大きく口を開けた。


 マイシも「な、なんということだしっ!」と焦りを見せる。アクトと黒マフラーの女は未だ冷静。しかし開戦の当事者であるコータロは驚きに見開き「な、なんだ!? そんな能力など……!」と愕然していた。



「ほっほっほ! こういう事もあろうかと、コータロさんには内緒でマー坊さんを改造しておいたのですよ。オカマサさんの劇薬使用後のピンチの時に起きるようにね」

「く……くそ~~!! オカマ野郎! ぶっ殺してやるしッ!」


 激怒したマイシは全身から熱く滾るオーラを噴き上げていく。


「かああああああああ!!!!」


 更に力んで気合いを発して、激しくオーラは噴き上げ続ける。ゴゴゴゴ……と周囲に煙幕が吹き荒れ、大地が大きく揺れていく。

 ケン治は「ほう? 六〇〇〇〇超えた!?」と目を丸くする。

 道路を爆発させてマイシは超高速で駆け抜ける。そしてケン治の顔に斬りつけ爆裂が弾けた。更に二撃を見舞って地面に叩きつけて噴火のような爆裂がズドンと噴き上げた。

 炸裂剣(バーストソード)で何度もバンバン叩きつけ続けて、噴火が連鎖するように高々と噴き上げていった。


 マイシは「終わりだしッ!!」と大きく口を開け、渦と共に無数の光子が収束。



火竜(かりゅう)爆裂波動砲(バーストキャノン)ッ!!!」


 吐き出された灼熱の息吹が扇状に広がり、光景は眩い灼熱に覆われた。


 ドオオオオ……ンッ!!


 明々と爆発球が天高く咆哮を上げるように噴き上がった。

 ブオオオオッと台風のように吹き荒ぶ烈風。その最中、マイシはキッとうどん魔人へ振り向く。そして急ぐように飛び立とうとした。


「まだ終わってませんよ? マイシさん」


 ビクッとマイシは硬直。頬を汗が伝う。

 濛々と立ち込める煙幕に振り向くが、まだ姿は見えない。しかしとてつもない殺気と威圧。依然とダメージは受けてないように見受けられる。




「あんたたちに構ってられないのよッ!!」

「えーい!! 吹っ飛んじゃえ────ッ!!」


 リョーコは強烈に迸らせるオーラを纏う斧をレンスの腹にズドンとぶちかまし、エレナちゃんがオーラ纏う金属の足による飛び蹴りがバイオのみぞおちに突き刺す。

 しかしバイオとレンスはニッと笑う。


「もぉ、痛いわねぇ~~! ちょっとだけだけど」

「まだまだ刺激足りないわねぇ~~」


 レンスは斧を掴み、バイオはエレナの飛び蹴りを掴み、ブンと振り回して互いをぶつけ合った。ガン、と衝撃と共に血飛沫が舞う。


「ぐあっ……!」「きゃ……!」


 リョーコとエレナはぶつけ合わせられて、苦痛に呻く。

 不敵に笑うバイオとレンスは二人を地面に埋めるように叩き伏せ、土砂の噴火が高々と吹き上げた。



「女ってホンット貧弱ねぇ~~」

「あら~~つまんないわね~~?」


 パンパン手で払う。


 しかし血塗れの顔でリョーコとエレナは「やああッ!!」っと穴から飛び出し、ダブル膝蹴りでバイオとレンスの顎を蹴り上げる。そしてリョーコは斧でレンスの頭上をガゴォと叩き割る。

 エレナは左右の拳の殴打でバイオの顔を滅多打ち。ガガガガ!


「女舐めんじゃないわよッ!!」「そうそうッ!」


 ようやくバイオとレンスはよろめき、「ぐうっ!」と呻く。




 バチバチッと黒い電撃が周囲に飛び散り、ジダ公の拳とナッセの光の剣が衝突していた。

 その余波で大地が震え、烈風が吹き荒んで破片を吹き飛ばす。ゴゴゴ!

 

「おおおおおお!!!!」

「ぬううううう!!!!」


 互いに必死の形相で競り合っていた。その気迫か、足元の道路がズゴッと陥没。破片が舞い上がっていく。


 バチッと電撃を散らし、二人は離れるように飛び退く。そしてジダ公の黒い稲光とナッセの流星のような軌跡が縦横無尽に駆け回り、あちこちで火花散る激突を繰り返し続けた。


 ガッガガガガッガッガッガガガガガッガッガッガ!!


 ヤマミと肩のウニャンは固唾(かたず)を飲んで二人の激戦を見守る。


拮抗(きっこう)してて終わりそうにないじゃない……」

《ホントだね》




 うどん魔人はにっこりしたような顔で、戦慄するノーヴェンたちインテリスリーを見下ろす。

 ゆっくりした感じで太い腕を振り上げ、握り締めた拳で一気に振り下ろす。すると途中で腕が急激に伸びていってムチのようにしなる。


「や、やばいデースッ!!」

「むうっ!」

 早業の抜刀術を放つ。が、大きすぎて斬り損なう。ギィン!


 ゥドガガガガガァ!!! うどんのムチが建造物を薙ぎ倒していく。


 それに巻き込まれて、ノーヴェンたちは「うわあああああ」と吹き飛ばされて、後方のビルへ身を打ち付けた。「がはっ」血を吐く。

 コマエモンは地面を滑って受け身を取るも、苦悶の表情に口元から血が垂れる。

 うつ伏せになったミコトも震えながら上半身を起こす。



 シュルシュル、伸びていた腕は元通りに縮む。


 ノーヴェンは激痛を堪え立ち上がる。そしてうどん魔人を包囲したメガネでビームを放つ。ビビビッと集中砲火と目指していく。しかし微動だにせずまともにビームの嵐を受けて、ボヨヨンと弾ききってしまう。

 ノーヴェンは「ワッツ!?」と驚く。

 大きすぎるうどんの弾力があらゆる攻撃を弾くようだぞ。


 ホワイトマジシャンがビュンと飛翔して顔に向かって「聖・魔・法(ホーリー・マジック)!!」と白い電撃玉を放つ。しかしうどん魔人の吹いた息で反射され、電撃を浴びたホワイトマジシャンは木っ端微塵に散る。ドカァン!


「がは……!」


 ミコトは破壊されたショックで前屈みに血を吐く。



「ぬおおっ! 斬り捨て御免ッ!」


 うどん魔人の足元をコマエモンが駆け抜け、チンと納刀。ズババッと足に斬撃が走り、細切れになる。うどん魔人は傾いて倒れそうになる。しかし斬られた断面からうどんが再生して元通りになってしまう。


「な、なんとッ!!」


 うどん魔人は足のつま先でコマエモンを蹴り飛ばす。バキッ!


「ぐはッ!!」


 吹っ飛ばされたコマエモンをノーヴェンが咄嗟に受け止めて、ズザザザと地面を滑って必死に踏ん張ってビルの外壁に背中を打ち付ける。

 コマエモンは息を切らし「か、かたじけない……」と笑む。

 ノーヴェンは「チームメイトですカラ」と首を振る。


「……それより、おかげで策が浮かんだデース!」

「む! それなら早急に……!」



小悪魔(ミニデビ)クルッボー! 寡黙侍(カモク・サムライ)! 白銀の聖騎士(シルバー・パラディン)アカリ! セイントドラゴン! 総攻撃DA!」


 ミコトが多くのモンスターをラッシュ召喚し、必死に猛攻を仕掛けていた。ドカンドカンと爆炎があちこち巻き起こる。そのうっとおしさにギロッとうどん魔人は眼を開いて怒りを(あら)わにする。


 全身からニョロニョロうどんの麺が一糸(いっし)ずつ伸びる。それはうどん魔人の両手の間に入っていって一塊にコネコネと握られていく。

 圧縮され続け、徐々に光り輝いていく麺。ズズズズ……! ヤバい!!


(ちょう)熱々麺玉(あつあつメンだま)!!!」


 オーバースローで全力投球された麺玉がインテリスリーへすっ飛ぶ。巻き込まれたモンスターは「ぐあああ」と全て塵化。ノーヴェンたちは見開きながら、光の彼方へ飲み込まれる。

 着弾時に灼熱の麺玉が水蒸気爆発のように大規模破裂。更に麺の破片が全方位に飛び散ってあちこち破裂を連鎖させていく。


 ウドオオオオォォ…………ンッ!!


 それらは道路を抉り、余波の津波が周囲に吹き荒れ、建造物を次々薙ぎ倒していく。ハス太たちも、他の創作士(クリエイター)もそれに煽られて「うわああああ」と吹き飛ばされていく。


 煙幕が晴れ、見るも無残に無数のクレーターがあちこち都市を巣食った形になってしまった……。




「む、無茶苦茶だ…………!」

「うどんの麺で……あり得ないっ!」


 他の創作士(クリエイター)たちに戦慄と戸惑いが走る。


 うどん魔人の「ウドオオオオオオン!!!」と大気を震わせるほどの咆哮が響いた。

あとがき雑談w


クッキー「うどんが敵として出てくるなんて、どの作品にも出てなさそうw」

アリエル「これはこれで盛り上がるわぁ~~w」


『うどん魔人(狂戦士(バーサーカー))』

 出井(デイ)マー坊が裏切る事を予見したオカマサが念の為にと劇薬を植え付けて、それが発動した姿。

 ただただ狂って暴れまわるだけのモンスター。

 その巨大なうどんの威力は都市を壊滅させるほど!

 威力値73000



 次話『騙し討ちの卑劣漢!! コハク怒る!』

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