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19話「ナッセの底知れぬ潜在力!!」

 憤怒と戦斧を握った腕をぶんぶん回転させた。周囲が旋風で荒れ狂う。

 ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォ!!!

 嵐が巻き起こるかのように、岩礫が旋風に巻き込まれ、地響きが徐々に大きくなっていく。


「ぬおおおおおおおおお!!!!」

 最後の渾身の力で粉砕せんと振り下ろしてくる。この旋風纏う一撃は確実に広範囲を粉砕し(ほふ)ってくる。その剣幕に萎縮(いしゅく)しそうになる。


 ヤバい!! ……ダメだッ!!!



「負けるな~~~~~~!!!!」


 なんとリョーコの激励(げきれい)が飛んできたぞ。

 それが聞こえ、希望(うるお)う活力を漲らせた。カッと鋭い眼光を取り戻す。


 負けない!! 負けてたまるか!! 負・け・て・たまるかぁぁぁあッ!!


 そんな湧き上がる強き気持ちに、手の甲の『星』印が『太陽』印に切り替わった。すると片手剣だった青白い『星光の剣(スターライトセイバー)』は、山吹色に輝く大剣の『太陽の剣(サンライトセイバー)』へと大きく変化した。


「おおおおおおおおおッ!!!!」


 彼女に力をもらったかのように、全身全霊かけた渾身の力で振り上げる。戦斧と大剣が激しく交差(こうさ)!!


 ガキィィィン!!!


 凄まじい激突音が響き渡り、地面が大きく揺れる! 激突の余波が周囲に吹き荒れる!

 それに煽られて、周囲のビルがことごとく崩れ去っていく!!



 宙を舞ったのは戦斧──。


 そしてフクダリウスの首元で、太陽の剣(サンライトセイバー)の切っ先を止めていた。


 はぁはぁ、息を切らすオレの気丈な顔と、唖然としたフクダリウスの顔が対峙。互いの視線が見つめ合う。しばしの間。

 呆気に取られるタネ坊、キンタ、リョーコ、二人の女生徒。



「…………(まい)った。降参(こうさん)だ」


 観念(かんねん)したフクダリウスは肩を落とし、首を振りながら笑みを見せた。


「え? も、もう?」

「ああ……」

 両膝を落とし(ひざまず)いた形となったフクダリウスは宣言した。

 すると気が抜けたか、安心してへたりと尻餅をつく。息切れする。



「よかった~~!! 三時間以上も続くとヤバかった~~!!」


 タネ坊はタラコ唇を震わせる。

「お……おい!? 本気で言ってるのかい……?」

「え? うん。マジだぞ」

 きょとんと振り向く。


「やせ我慢はもうええわ。あんさん誇張(こちょう)しなくてもええんとちゃうか?」

 呆れたキンタはパタパタ手を振る。


「え~? 誇張じゃないぞ? オレなんて三時間が限界なのに、師匠なんか三日三晩飲まず食わずで戦えるらしいから付き合いきれないぞ!」

 ウンザリと口を(すぼ)めた。


 既に実証済みと聞いて、絶句するタネ坊、キンタ、フクダリウス。

 更に盗み聞きしていたヤマミとスミレも見開いて絶句した。頬を冷や汗が伝う。


「こ……、こんな事って…………!?」

「うん! 凄い~!」

 驚きに震えていたヤマミは徐々に口角が上がっていく。見つけた、と言わんばかりに歓喜に打ち震えた。その様子にスミレもにっこり笑む。



 タネ坊とキンタはまだ震えている。


「し……信じられないね……」「せや!」


 ナッセの底知れぬ潜在能力に戦慄(せんりつ)を覚えたのだった。それに彼はまだ攻撃系スキルの一つも持っていない。

 剣を振るって盾で防ぐ、そんな基礎的な戦いだけだ。もし攻撃系スキルなどを得て準備万端だったなら、どれほど強くなるか計り知れない。


 今のナッセですらまだ発展途上なのだ!



「グワッハッハッハ! 完全にワシの負けだわ……」

 フクダリウスは開き直ったかのように大笑いした。打ち解けたフクダリウスは温かい笑顔でオレと握手を交わす。

 それにリョーコも安堵に口元を緩ませた。



「それと、リョーコ。あんとき励ましてくれてありがとな」

「……うん!」

 リョーコは微笑み、手を差し延べる。立てる? と。


 一人だったら、多分やられていたかもしれない。彼女(リョーコ)の叫びが、自分に活を入れてくれた。

 本当にいつも助けられてばっかりだなぞ。

 その彼女の温かくて柔らかい手を握り、オレは腰を上げた。するとリョーコは胸元に抱きついてきた。思わず体が沸騰するように火照(ほて)った。


「良かった~~~~!! 死ぬかと思ったもん!!」

「あはは……」


 心の底から笑い、リョーコの金髪のおかっぱを撫でる。なんとなく温かくて人と人の繋がりを想わせる抱擁。それを噛み締めるように、高揚する気持ちと共に彼女を抱きしめた。


 ……うん、逃げなくてよかったなぞ!




 だが、その様子をビルの屋上から一部始終(いちぶしじゅう)見ていたマイシ。表情は影に覆われていたが、好戦的にギラつく双眸と共に口角が釣り上げられた。ニッ!


城路(ジョウジ)ナッセ!! あんたは必ず、この剣で潰すし!!」

あとがき雑談w


タネ坊「ガーン!」

キンタ「マジで勝っちまいやがった……!」


フクダリウス「加減したとはいえ、まさかここまで粘られるとは!」


リョーコ「やったねー!! さすがナッセー!」


ヤマミ「リョーコ! そこ代わりなさい!!」ぐぎぎ!

スミレ「どうどう~落ち着いて~w 落ち着いて~w」(必死に引き止め中)


 リョーコがナッセと抱き合った為、嫉妬MAXでヤマミ激情中!

 スミレちゃん筋肉痛になるレベルで引き止め中w



マイシ「くっくっく! 強いとなったら見逃す訳にはいかないなし!」


 本編含め、ライバルが言いそうなセリフっすw


★戦闘力として数値化w

 森岳(モリタケ)タネ坊は2950。

 大珍(ダイチン)キンタは4100。

(タネ坊とキンタが『連動(リンク)』した時は各7050)

 城路(ジョウジ)ナッセは14000。(星印一つ時3500)

 武劉(タケリュウ)フクダリウスは本気出せば50000以上。



 次話『まさかマイシと対決!?』

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