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194話「ついに決着か!? ナッセ陥落……!」

「異世界へ行きたければ私の屍を越えてゆけッ!!!」


 魔王級『偶像化(アイドラ)』は漆黒の剣を剛力一閃で薙ぎ払い、向かってきたナッセ、ヤマミ、マイシを強烈な爆裂でドガアァァンと吹き飛ばす。

 まさかの『炸裂剣(バーストソード)』だと、と一同は驚く。


「ぐああッ!!」「ぎっ!」「うぁあ!!」


 荒れ狂って広がる爆風に流されてオレたちは更に傷つき、ヤマミの小人たちも一斉にボボボボッと黒炎に散る。


 追い討ちとヤミザキは魔王級『偶像化(アイドラ)』の漆黒の剣を逆手に、大地へ突き刺す。広範囲に渡って、無数の黒い閃光を噴き上げた。

 容赦なく数百と地上から噴き上げてくる黒閃が連鎖的に突き上げてくる。


 ドドドドドドドドドドドドドッ!!

「ぎああああ!!!」「ぐあっ!!」「ああああッ!!」


 為すすべもなく無数の黒閃になぶられて、宙を踊る。血飛沫が舞う。

 ヤマミは自身を包む『偶像化(アイドラ)』が粉々に吹き飛び「ぐぅ……」と血を吐く。


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド……!!!


 大地を揺るがしながら、戦場あらゆる所から黒閃が無差別に噴き出し続けていく。

 見ていたリョーコはモニターに向かって「ナッセェ!! 負けんないでーッ!!」と叫び上げた。



 宙を舞ってる最中でカッと気を引き締め、ヤマミと互い手をパンと一瞬繋ぎ、共にフォースを高め合う。

 ヤマミは再び『偶像化(アイドラ)』で身を包み、小人を再び増殖させた。


(ダブル)流星進撃(メテオラン)ッ!!!」


 無数の剣戟で黒閃を全て打ち砕きながら、超速で距離を詰めていく。


「それは見切った!! 二度は通じぬッ!!」カッ!

「じゃあ(トリプル)でどうだし!!!」


 なんとマイシが加わり、広がった夜空から無数の流星が放射状に流れゆく。ヤミザキは「むッ!?」と驚き混じりに見開く。

 ヤマミとマイシと小人たちはオレと一丸となって「おおおおおおおおッ!!!」と燃え上がる咆哮で剣戟を流星と化して繰り出す!!


「────幾万連星(いくまんれんせい)ッ!!!」


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!


 万及ぶ一撃必殺の剣戟の嵐が穿ち続け、飛沫が高々と吹き上げて、その余波で大空の雲が連鎖的に爆ぜていく!

 凄まじい剣戟の嵐にヤミザキは「ぬぐおおおおッ!!!」と呻いていく。血飛沫が舞い、服が破けていく。


「ぎがはあッ!!!」


 ついにヤミザキは盛大に血を吐く。

 剣戟の嵐が終わり、尚も烈風が吹き荒び煙幕を流していく最中、オレとヤマミとマイシはグッと踏ん張りの構え!

 オレは太陽の剣(サンライトセイバー)をかざし、ヤマミは小人たちで作り出した無数の魔法陣を展開し、マイシは大きく口を開けた!!

 ヤミザキは「いいぞ! この痛み……久しいッ!!」と両足をドンと踏みしめた。


「サンライトォ──・ス──パ──ノヴァ────ッッ!!」

九重(ナインス・)魔法陣(マジカルサークル)・グランドエックス────ッ!!」

「火竜王の爆裂波動砲(バーストキャノン)ッ!!!」


 三人が放つ超特大の光線が大地を割るかのように疾走(はし)り、飛沫を巻き上げ、見開いていくヤミザキを呑み込む。


 ズッドォォォォォォオオオオンッ!!!


 視界一杯に広がる灼熱の爆発球!!!

 その最大級の破壊力によって、超高熱の明々と爆風は天高く噴き上げられ、大地が大きく揺れた。


 ズズ……ンッ!! 遥か空高く昇るキノコ雲が壮大に拡大していた。




「それで(しま)いか!!?」


 ズン、と足踏みし周囲の煙幕を強引に吹き飛ばし、火の海から依然と健在な魔王級の『偶像化(アイドラ)』が「ヴォヴォオオオオ!!」と吠えながら現れた。本体であるヤミザキは額から血を流しているが、依然と不敵の笑みを浮かべたままだ。


 誰もが大きく口を開け、驚愕に満ちた────!!


「そ、そんな!! どうやれば倒せるんだ!!?」

「あれだけ大技を喰らっているのに……! 化物だろ!!」

「倒せっこねぇよ!! あんなん無理無理!!」



 ズン、と足踏みし大地を揺らす。ギッと気張った表情をヤミザキに向けた!


「まだオレたちの攻撃は終わっていないぞッ!!」

「ええ! まだまだこれからッ!!」


 負けじとオレとヤマミは全力疾走でヤミザキへ間合いを詰めていく。一瞬手を繋ぎ、更に周囲から漆黒の小人が数百体も散開して併走する。

 それぞれ全員が光の(しずく)を一点に収束させ、何かを錬成していく。


 ヤミザキは迎え撃とうとすると、ピタリと動きが止まる。気付けば後ろでトゲが影に突き刺さって動きを封じていた。カゲロの時と同じだ!

「むんッ!!」

 ヤミザキは強引に縛りを破ってトゲを砕く。パァン!

 カゲロは「な!? 一瞬で!?」と見開いて驚く。


 が、既に遅い! オレたちの攻撃は迫っていた!

 大勢の小人それぞれ合わせた両手の間に輝くような銀河が生まれていく!!


「まさか!! 全員が『賢者の秘法(アルス・マグナ)』を!!?」


 無数の銀河を抱えて、小人たちは魔王級『偶像化(アイドラ)』へ飛びかかる。眩く拡大化していって超銀河団となって超連鎖炸裂!!!


「ギャラクシィ・シャイン・コスモォ────ッ!!!」


 ズドドッドッドッドッドッドッドドドドドウゥゥ……ンッ!!


 絶えぬ大爆発の連鎖で地平線が欠けるほどに破壊の激流が大規模に渦巻く。その真っ只中で魔王級『偶像化(アイドラ)』は「ヴィヴァアアアアッ!!!」と破片を零しながら崩れかけていく。しかし血塗れのヤミザキは血眼で歯軋り!!


「この程度……! ヒカリを失った痛みと比べればッ、なんでもないわッ!!!」


 ドォーン!! と時空を超越する輪を世界中に広げ、ヤミザキは激痛の身を押して『偶像化(アイドラ)』の漆黒の大剣四本を融合し、束ねた超巨大な剣を振るう! 漆黒の稲光を走らせ、停止した時間と相余って光速にも等しい一撃に昇華して繰り出す!!

 しかし「させないしッ!!」とマイシが折れた剣を前に飛び込む!!


「まとめて微塵に散れ!! 夕夏(ユウカ)大魔神(だいまじん)!! 覇極(はごく)降魔滅殺剣(こうまめっさつけん)!!」

「かあああッ!! 火竜王のッ炸裂神滅剣(バースト・ラグナロク)ッ!!!」


 ズガン!!


 眩い閃光と共に漆黒の稲光が四方へ迸り、凄まじい衝撃で大地を深々と裂き、何層もの雲を裂き続け、遥か空の月まで真っ二つに!!

「がはっ……!!」

 折れた剣が木っ端微塵に砕かれ、衣服の破片と大量の血飛沫を散らしながらマイシは仰向けにゆっくりと倒れゆく……。オレとヤマミは悲哀に顔を見せるが、マイシは快い笑顔で!


「行けし!! てめぇの道を!!」


「うん!」とマイシの心意気を受け継ぎ、ヤマミと共にヤミザキへと目指す!!

 なんと二人の得物の切っ先に高速回転中の風車手裏剣を携えていた!


「ナッセェ────ッ!!」「ヤマミ────ッ!!」


 併走しながら徐々に互いの距離を詰めていく。二つの円と光輪が近づいて、眩い閃光を放って合体! カッ!

 なんとナッセとヤマミのかざす円を循環するかのように、∞型に光輪がうねりながら神々しく輝く。

 その信じられない光景にヤミザキは見開いた。


 そしてかつて自分がヒカリと共に繰り出した必殺技を重ねてしまった!

 メビウスの輪を描くかつての必殺技を……ッ!!


 まさかナッセとヤマミが“別の形”で再現しようとは!!



「これが! 私たちが繰り出す三大奥義の一つ!! 『無限なる回転インフィニティ・スピン』」

「そして喰らえ──ッ!! サンライトォ──・インフィニティドッキング(メビウス)──ッ!!!」


 オレとヤマミは裂帛の気合いと共に、巨大に膨れ上がったメビウスの輪のような光輪と二つの円を、魔王級『偶像化(アイドラ)』へ突き出す!!

 ヤミザキはカッと鋭い眼光を灯らせ、異なる回転を重ね合った多重層で超巨大な竜巻球を展開した!!


「その紛い物の奥義などォォォ、我が奥義で潰してくれるわッ!!

 九極星(きゅうごくせい)降魔穿嵐旋(こうませんらんせん)ッ!!!」



 ズン!!!


 お互い最強最高の『無限なる回転インフィニティ・スピン』奥義が激突!!!


 二つの大きな無限回転がせめぎ合いながら膨れ上がっていく!

 大きく大地が震憾し続け、台風以上の旋風が数千キロにまで吹き荒れ、あらゆる破片を流し、海を大波で暴れ尽くす。

 未だ拮抗状態で周囲の全てを荒々しく震わせ続けていた。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


 オレは「ぐぎぎぎ!!」と片目を瞑り踏ん張る!!

 限界へ近づくにつれて体が悲鳴を上げて苦悶を上げているかのようだ! しかし内心「ふんばれ!! ふんばれぇぇぇ!! ゴールはすぐそこォォォ!!!」と気張る!!


「おおおおおおあああああああああッ!!!!」


 ヤマミと揃って得物を突き出し続け、ついにヤミザキの多重層無限回転を押し始める!!

 それでも最後まで押し切ろうと力を振り絞る!!


 この奥義はマイシからも託された力ッ!! 負けるもんかァァァァッ!!


「行っけェェェェッ!!」


 限界を超えるように全身全霊振り絞って、得物を突き出し続ける!!

 ヤマミと共に繰り出す無限回転が一歩一歩、差を詰めるように迫る!!



 ────見事だ! ここまで急成長するとはな!! 嬉しいぞ!!


 ヤミザキは観念し、両目を瞑る。全身の刻印(エンチャント)がズズズズッと形を変え、胸元で幾重の円陣を組むように象っていく。

 そして代償の血を口元から垂らしていく────!

 カッとヤミザキは見開く!!


「妖精王よ!! 我が器となるべき、我が魂を受け入れよ!!」



 ──夕夏刻印 御開帳『運命の鍵』──


 ヤミザキの胸元の幾重もの魔法陣の中から鍵が飛び出し、そのまま魔王級『偶像化(アイドラ)』が漆黒の弓で打ち出す!

 一条の光が突き抜け、激突中の無限回転すら粉々とキューブ状に爆ぜ散った。


「な、なんだとぉぉぉぉお!!?」


 ヤミザキもナッセと同じ『鍵祈手(キーホルダー)』だったと誰もが驚く最中、オレの胸へ『運命の鍵』は挿し込まれた! カッと閃光があふれ、周囲を無数のキューブの嵐が吹き荒れていく!


「ぐああああああああッ!!!」


 挿し込まれたが最後、ヤミザキの願いを叶えるべき『運命の鍵』によって作り替えられてしまうしかない。それは概念すらねじ曲げる絶対不可避の神器。

 顔面真っ青のヤマミは「ナッセェ!!!」と悲痛に叫んだ。

 ヘインもマイシも絶句したまま瞳を震わせている。


「ああああああああああああ!!!」


 キューブの嵐に包まれながら、苦悶にもがくしかなかった。



「これで世界大戦は終結だッ!!!」


 勝ち誇ったヤミザキの絶対的な宣言に、誰もが愕然に包まれていった……。

あとがき雑談w


クッキー「あの、戦闘空間で戦ってるのよね?」あわあわ!

アリエル「現実世界だったら、色々ヤバいでしょお……」

ヤミロ「クソ! 高難易度クエスト無理だろぉ! 課金するしか……!」


クッキー&アリエル「ソシャゲやってる場合じゃないでしょーがぁ!」


ヤミロ「どうせ録画してるんだから、いいだろぉ!」チッ!

クッキー「こういうのは生中継がいいのよ! 録画はデータとして!」

アリエル「そうそう! ってアンタと意見が合うとかキモイわぁ……」


ヤミロ「ってかインフレし過ぎだろぉ?」


 クッキーとアリエルはジト目で「そりゃね……」とため息w



 次話『ゲームオーバー!? 終わりの始まりへ!』(意味深)

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