34. 人外宣告
「来ないわよ、だってこの惑星にはあなたがいるじゃない。」
「いや、だって私ただの人間ですよ。」
「私の魂を操作できるほどの力を持ってて、ただの人間のわけないじゃない。」
「いや、それはリリ様の魂と繋がっていたから。」
「そう、知らなかったのね。あなたに謝らないといけないわね。上級神が人間の魂に憑依するなんて初めてだから、人間の魂にどんな影響がでるか予測が付かなかったの。いくら超越者から隠れるためとはいえ、あなたの迷惑も考えず無茶をしてしまったわ。虚弱な人間の魂が30年以上強力な上級神の魂と一緒にいれば影響を受けないはずないのにね。」
「えっ?」
嫌な予感がする。
「トモミさん、あなたの魂はこの数年で急激に進化したの、もはや人とは呼べないわね。とりあえず、亜神と言うことにしておきましょうか。」
リリ様から、よもやの人外宣告を受けました。
「それで他の神とも相談して、この惑星は引き続きあなたに任せることにしたわ。」
「でも私で大丈夫なんですか? どの程度の力があるか自分でも分からないですよ。」
「大丈夫よ、困ったことがあったら私が助力するから。任せてね。」
なんと、この星の女神を続けることになった。まあ、この星が神不在となって滅びるよりは良いけれど。本当は、ハルちゃんと一緒に地球に帰れるかなって少し期待してたんだ。親友のマリコとも会えるかなって。
「リリ様、私達の銀河は超越者から逃げられましたけど、他の銀河はどうなりますか?」
「大丈夫、私達が成功したら他の銀河も後に続く手筈になっているの。超越者は今頃あわてているでしょうね。」
「良かったです。」
「ただ、それぞれ違う次元に逃げ込むことになっているから、他の銀河の神にはもう会えないけどね。万が一超越者が後を追ってきたときのことを考えて同じ次元に逃げない方が良いだろうとなったの。」
そうか、ちゃんと考えていたんだな。まあ、私は他の銀河に知り合いはいないから直接は関係ないけれど。
この後、リリ様はまだ神々との打ち合わせがあるからと帰って行った。結構飲んでいたが大丈夫だろうか。
それから10日後、お義父様が去る日がやって来た。ルーテシア様の元に帰るのだ。ハルちゃんとは最後までぎこちない関係だったけど、きっと時間が解決してくれると信じている。ちなみにお義父様の瞬間移動は私が行う。責任重大である。
リリ様にお願いしたら、「トモミならできるわよ」と軽く返された。まあ、出来るかもとは思う。
当然ながらリリ様の魂が私から離れてからは、私の魔法の魔力供給元は私自身の魂である。実はこの状態で魔法を使用してみて、私の身体の魔力許容量の制限を回避する方法を見つけたのだ。話は簡単である。これから使用する魔法に使う魔力量ときっちり同じ量の魔力をタイミングを合わせて魂から身体に供給すれば良い。そうすれば身体から出て行く魔力量と身体に入ってくる魔力量が差引ゼロとなり、体内の魔力圧は上昇しない。
これならどんな大魔法でも問題ない。いままで出来なかったのはリリ様の魂から供給される魔力の圧力が強すぎ、また他人(他神?)の魂ということもあり細かなコントロールが出来なかったためだ。その点、さすがは自分の魂である、自分の身体と同様に自由に動かせる。身体の魔力許容量の制限を回避できたことにより、魔法の威力はリリ様と一緒だった時よりむしろ増しているのだ。
それでもである。惑星間の瞬間移動なんて初めての経験だ、うまく行くか心配するのは当然だと思うけど...。もう、困った時は助力してくれるって言ってたじゃん。私を買いかぶりすぎだよ、ついこないだまでただの人間だったんだよ。
ルーテシア様から無事到着した旨の連絡があるまで心配でたまらなかったよ。




