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1. お義母様へのご挨拶

 なんでこうなった?


 私はいままでの人生で最高に困惑していた。いやいや、だっておかしいでしょう。


 今私は愛する旦那様のハルトことハルちゃんと一緒に、ハルちゃんのお母様に初めてのご挨拶に来ている。目の前にいるお義母様(おかあさま)が、実は太陽系からはるか遠いところにある惑星ルーテシアの女神様で、ものすごく偉い人だということや、ハルちゃんのお母様なのにどう見ても二十歳前後にしか見えないスタイルの良い超絶美人というのはどうでも良い。いや、良くはないのだが、これらはあらかじめ聞いていたことだ。今問題なのはその偉くて美しい女神さまが私の前に跪いていることだろう。


 <<上級神さまにお目にかかれるとは、このルーテシア身に余る光栄にございます。>>


 女神様からとんでもないお言葉を賜った。よく見ると、かすかに全身が震えている。


 私は絶賛混乱中の頭で、何か現状を打破するヒントはないかとここに至るまでの経緯を振り返っていた。

 私がハルちゃんと出会ったのは大学生の時だった。私と同じぽっちゃりした体型に親近感を覚え、気が弱いけど誠実でやさしい人柄を気に入っていつの間にか付き合っていた。そのまま卒業後も交際は続き昨日ついに結婚式を挙げた。プロポーズしてくれた時、結婚するなら知っておいてもらった方が良いからとお義母様(おかあさま)と惑星ルーテシアのことを話してくれたんだ。いや、もちろん最初は信じなかったよ。でもハルちゃんは冗談を言っている様に見えなかったし、嘘を言う人でないのは確信があった。かといってあまりに荒唐無稽な話なのでせいぜい半信半疑というところだったけど。お義母様(おかあさま)への挨拶と新婚旅行を兼ねて、1週間の休暇をとって惑星ルーテシアにやって来たら信じざるを得ない。移動はハルちゃんが地球の神様にお願いした瞬間移動とやらで一瞬だった。驚いたけど、ハルちゃんを信じてよかったという安堵の方が大きかったかな。

 到着したのは神殿を思わせる様な石壁の大きな部屋、すぐにタッタッタッという軽い駆け足の音が聞こえ、勢いよく扉を開いて部屋に入ってきたのがハルちゃんのお母様、女神ルーテシア様だった。なお、お義母様(おかあさま)の名前と惑星の名前が同じなのは偶然ではない。女神ルーテシア様が管理されている惑星ということで、惑星の名前もルーテシアになったらしい。


 「■■■■■■■■■■!!」


 部屋に入るなり満面の笑顔で何かを叫んでハルちゃんに抱きつくルーテシア様。


 そりゃ嬉しいよね。確か10年ぶりの再会らしいもの。女神様といっても案外気さくそうな方だと安堵したこともあり、笑顔でふたりを見つめる私。ハルちゃんも嬉しそうにルーテシア様をハグしていたが、しばらくして私を紹介しようとしたのかハグしていた腕を緩めて私の方を向いた。

 ルーテシア様も一緒にこちらを向かれたのだが、その途端驚愕の目を見開いて笑顔が凍り付いた。その後冒頭の状況に戻る。


本日中に後1回投稿します。

段落1行目の字下げが反映出来ていなかったので修正しました。

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