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死獣神~血の書~  作者: 天馬光
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再会のノクターン(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。

 その瞬間、坂上の手とナイフはバラバラに切り刻まれ、坂上は大量の血を手から噴き出しながら悲鳴を上げた。

 そこへ、やった張本人である青龍が姿を現した。


「いけませんねぇ。ピアニストがピアニストの指を切り落とすだなんて」


「お前ぇ、よくも天才ピアニストである俺の指を! いったい何者だ!」

 そう聞かれて青龍は自己紹介し、奏の方に目を向けた。


「ところで、ね……じゃなくて、青山さん。今回は1000万のところを出血大サービスということで、10万円で引き受けます」

 自分の目の前で、命を安く設定されたことに激怒した坂上は、残った片手で隠し持っていたもう1本のナイフを持ち、奏を人質にとった。依頼人は殺せないはずと考えての行動だろう。


 だが、青龍はそれに動じるどころか、滑稽といった感じで高笑いした。そして、狂気に満ちた目でこう言い放った。


「殺せばぁ? 僕の依頼は、あくまであなたを殺すことだ。それに伴う犠牲はやむを得ない。で、どうするの? 元天才ピアニストさん?」

 脅しが効かないことに動揺した坂上は、取り乱した状態で青龍に襲いかかった。

 が、こうなってしまっては彼のもの。青龍は坂上の全身をロープカッターで巻き、


「では僕も奏でるとしましょう。ただし、旋律ではなく、断末魔を、ね!」

 と、言って得物を引っ張り、坂上を輪切りにした。


 自分の目の前で起きたことに絶叫し、怯える奏を見て、青龍は優しい口調で、


「怖がらなくていい。確かにショッキングなことだろうけど、これであなたの敵はいなくなりました。だから……もう心配いらないよ」

 と言いながら、普段の自分の目に戻した。

 奏は最初、あんなことをした人物が優しい言葉をかけてくることに違和感を感じていたが、彼の目を見てる内に、青龍の正体が自分の弟だと気付いた。

 依頼自体は難なくこなせましたが、問題はこれからです。

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