表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死獣神~血の書~  作者: 天馬光
8/32

再会のノクターン(3)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。

 翌日午後9時。龍と雲雀は奏のコンサート会場の近くに待機し、終わるのを待っていた。

 龍としては、できればチケットを買って、彼女のピアノを間近で聞きたかっただろうが、チケットを買う金などなく、人殺しは蚊帳の外がお似合いかと自嘲した。

 そんな龍に対し、いつも通りの雲雀は、


「龍。わかってると思うけど、手伝ったる代わりに、報酬の4割は払ってもらうで。それでツケはチャラや」

 と、釘を刺した。


「わかってるよ。じゃあそろそろ……」

 そう言うと、龍は手で顔を覆い、殺意を高めた。すると、髪が黒から青に変わって逆立ち、青龍の姿になった。


「楽しい仕事の始まりだ。奴が外に逃げたら頼んだよ」

 雲雀が了解すると、青龍はこっそりとコンサート会場に入った。



 一方、弟の裏の顔を知らずに依頼を出した奏は、コンサートを終えると、龍の家に帰る準備をしながら、自分を狙う人物の殺害依頼が届いたのか、少し不安になっていた。

 それでも、情けない顔で帰って弟を心配させたくないと思った彼女は、前向きに考え、持参した荷物に手をかけた。


 その時、背後からエアガンを10発近く乱射された。

 痛みに耐えながら撃たれた方を向くと、そこには見知った人物がいた。


「久し振りだなぁ。奏」


「あなたは……坂上(さかがみ)さん!」

 奏は驚いた。まさか犯人が、かつて同じピアノ教室に通い、自分より早く世に出たピアニストで先輩の坂上だったとは思ってもいなかった。動機は武文の推理通り、奏人気のせいで影に追いやられたことに対する嫉妬であった。


「お前のせいで人生台無しだ! だから!」

 そう言うと坂上はエアガンを全弾撃ち、奏を押し倒してサバイバルナイフを取り出した。


「お前の指を全部切り落として、お前の人生も台無しにしてやる。そのあとで、俺の奴隷として一生飼ってやるよ。優しいねぇ俺は」

 男の凶行に奏は恐怖し、助けを呼ぼうと口を開きかけた。

 奏が一番気に入ってる曲はショパンの『夜想曲』で、このコンサートでも当然弾いています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ