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死獣神~血の書~  作者: 天馬光
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サイトオーナー 玄武(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。

 その時だった。


「わかった。その願い、僕が叶えよう」

 闇の中から聞こえたその声と共に鉄パイプが振られ、望月の側頭部を殴打した。

 殴られた望月と間一髪助かった紫乃がその方向を向くと、そこには頭に包帯を巻き、眼帯をつけた武文がいた。


 彼の登場に驚く2人に、武文は望月が言っていた噂が事実だと認め、淡々とその話をした。


 武文の父親は現場上がりの凡人のくせに、自分に似てないという理由で武文や、彼を産んだ武文の母に暴力を振るう最低のクズだった。

 彼の父は武文が100点をとったら『調子に乗るな』と言ってボコボコにし、逆に0点をとったら『バカが』と言って殴り倒す理不尽な男でもあった。

 だから彼は、そんな父の機嫌をとり、大好きな母をこれ以上傷付けさせないために、可もなく不可もなく主張もしない最良点である70点台をとり続けた。

 だが、その努力も虚しく、武文の母親は彼の目の前で父親に暴行され、それ以来、目を覚まさなくなった。

 そうなった日の夜、武文は当時まだ使命を思い出していなかったペガサスの協力を得て、父親を殺し、遺体を自社のマンション建設予定地に埋めた。


 自らの罪と過去を悪びれることなく告白する武文の血も涙もない目を見た望月は、彼が本気で自分を殺しに来たと思い、逃走を図ったが、その退路はすでに青龍と朱雀が塞いでいた。


「逃げたらダメだよ、クズ教師さん♪」


「あんたは、うちらのオーナーのターゲットやからな。そうそう簡単には逃がさへんで」


「オーナーだと? 玄田、てめぇはいったい!?」

 そう聞かれた武文は自分の正体を明かした。


「僕は殺し屋サイト『死獣神』のサイトオーナー・玄武だ」

 武文が殺し屋のリーダーだと知り、紫乃と望月は仰天した。


 ちなみに、朱雀も彼が玄武と知った時は驚いたが、青龍は彼が送ってきたメールのアドレスから武文の正体に薄々気付いていた。

 武文の母は東大卒の文武両道、才色兼備な女性で、息子である武文を擁護しその身を賭して彼を守っていました。

 そんな彼女に乱暴するあの父親は、望月同様最低と言っても過言ではないでしょう。

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