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死獣神~血の書~  作者: 天馬光
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サイトオーナー 玄武(3)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。

 その日の夜10時頃。生徒はもちろん、他の教職員もいなくなった学校の体育館に、紫乃と望月の姿があった。帰ろうとする紫乃を望月が呼び止めて、ここで待ち合わせしていたのだ。

 どうして電気を点けていないのか不安に思いつつも、できるだけ手短に済ませようと紫乃は用件を尋ねた。すると望月は、


「志村先生。そんなにあのクソガキのことが好きなんですか?」

 と、彼女が思いもしなかった質問をぶつけた。想定外のことを聞かれた紫乃はドキッとした。


 無理も無い。確かに望月の言うとおり、紫乃は担任として受け持った中学1年の頃から、彼に好意を抱いていた。教師として持ってはいけない感情だとわかってはいたが、それでも一度抱いた恋心を捨てることはできず、これまでずっとそれをひた隠しにしていた。

 それがまさか、同業者でしかも武文を毛嫌いしている望月に感づかれていたとは、夢にも思っていなかったのだ。


 そのため、一瞬は戸惑った紫乃だったが、弱みを見せたら付け入られると思い、平静を装った。


「……それが、あなたに関係あるんですか?」


「ありますとも。一応、職場の同僚なんでね。生徒とイケない関係になった教師がいるとなったら、こっちも迷惑するんですよ。それに、あんな親殺しの恋人になったら、先生の経歴に傷が付くことになる。それを未然に防ぐための親切心って奴ですよ」

 望月の話を冷静に聞いていた紫乃だったが、彼の口から出た『親殺し』という単語に、激しく動揺した。


「知りませんでしたか? あいつ自分の親父を殺して社長になったっていう噂がたってるんですよ。でなきゃ、あの歳で社長になってる方がおかしいでしょ」

 愛する者が殺人犯かもしれないという疑惑に、紫乃はさすがに冷静ではいられなくなった。


「……私に何を要求する気ですか? あなたがこんな話をする以上、それなりの見返りを求めるつもりですよね?」


「話が早くて助かります。先生には、あいつのことをきっぱり諦めてもらい、俺専用の奴隷になってもらいます!」

 そう言うと、望月は紫乃を押し倒し、衣服に手をかけた。

 無論、紫乃は必死で抵抗したが、男と女とでは体格や力がまるで違う。望月に服を千切られ、為す術なく犯されると思った紫乃は、悔しそうに下唇を噛み締めた。


 大学時代の先輩だったこの男のせいで、かつての恋人が自殺し、最愛の生徒である武文は毎日の如く怪我をさせられ、そして今、自分までこの男に辱められようとしている。

 そんな最悪にして最低の男である望月の欲望丸出しの顔を見て、紫乃は心の底から思った。


(お願い死んで。死んで地獄に落ちて)と。

 先生と生徒の恋。人によって評価が別れるとは思いますが、僕個人としてはアリだと思います。

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