サイトオーナー 玄武(2)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。
昼休み中の午後1時頃。昼食を終えた武文は、担任の紫乃に校内放送で呼び出され、職員室を訪れた。
紫乃はあからさまに不機嫌な顔をし、蓋をしたボールペンで机をつつきながら彼を待っていた。
「玄田君。何で呼び出されたかわかる?」
そう聞かれた武文がわからないと答えると、紫乃は、武文が中学に入学してからこれまでに受けた答案用紙の束を彼の前に出した。そこには1つの違和感があった。
「全部70点台よ。あなたと小学校からの付き合いの黒田君や猫宮さんから聞いた話だと、あなたは小学生の頃、ほとんど満点しかとらなかった秀才だったそうじゃない」
「……何が言いたいんですか?」
証拠を突きつけられてるにも関わらず、武文はシラを切った。
確かに彼女の言うとおり、武文は全教科オール100点取れるだけの頭脳を持っている。それなのにわざと70点台を取り続けるのには、彼なりのある理由があった。
それをなんとしても聞きたい紫乃が厳しく追及していると、関係ない望月が首を突っ込んできた。
「またなーんか悪さでもしたのか? 玄田ぁ」
「別に。何もしてないし」
嫌悪感から、ふてぶてしくそう答える武文にイラっとした望月は、武文を問答無用で殴り飛ばし、頭を持って床に押さえつけた。
望月の教育とは言えないやり方に制止を呼びかけた紫乃だったが、望月の耳には一切届かなかった。
「志村先生は引っ込んでて下さい。こういう反抗的なガキは、痛めつけないとわからんのです」
彼の歪んだ教育論を聞いた武文は、押さえつけられながらも嘲笑した。
「そうやって命令して……志村先生の旦那かご主人様にでもなったつもり?」
小バカにされたと思い睨みつける望月に、武文は続けて、
「さすが暴力教師。自分の思い通りに事を運ぼうとし、それに従わない者は力で訴える。あんたみたいな最低な奴は、殺されればいいんだ。このクズ教師」
と、言って、殺気と敵意に満ちた目で下から睨み返した。
この態度に激怒した望月は、紫乃ら他の教師の制止を振り切り、武文をボロ雑巾のようになるまでボコボコに殴った。
それから3時間経った午後4時頃。家路につこうとする龍と雲雀に、サイトオーナーである玄武からメールが届いた。
その内容は、自分が50万で受けた望月殺害の依頼のサポート要請だった。
オーナー自らということに2人は驚いたが、まだ見ぬオーナーの正体を知るいい機会と考え、快諾した。
この時龍は、送られてきたメールからあることに気付きますが、それは後ほど。




