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死獣神~血の書~  作者: 天馬光
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死獣神vs警察の犬(6)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。

 翌日の午後4時半頃。あの激戦を終えた龍達3人は、雲雀の店で昨日のことを話していた。

 話題は当然、あの時のペガサスの行動についてである。雲雀がそのことを問い質すと、翔馬は包み隠さずその理由を語った。


 例の宣戦布告メールを送ったあと、特捜5課の弱みを握れないかと思った翔馬は、変装して大阪府警本部に侵入し、特捜5課の部屋と本部長室に盗聴器を仕掛けていた。


 その結果、犬飼家の当主である忍の父が、死獣神と正面衝突することを反対していたという情報を入手できた。どうやら先代当主は死獣神の強さをあらかじめ知っていたらしく、特捜5課では勝てないと留守番電話に残し、娘に警告していた。

 そんなこととは知らずに挑んでしまい、自身の勇み足のせいで部下を無駄に失ってしまった忍は、今頃その留守番電話を聞いて、責任感から号泣しているだろうと、翔馬は考えを述べた。

 そんな彼女に対するフェミニストとしての温情が1つ目の理由だった。


 もう1つは、特捜5課とのパイプを作り、彼女達ではどうすることもできない犯人を殺すことで、紹介料をせしめようという魂胆からである。


「ただ殺してるだけじゃ、収穫間近の田畑を焼き払うのと同じ。最悪でも100ある内、99殺しても1生かせ」

 翔馬なりの理論に商売人である雲雀は納得し、彼を見直した。

 その一方で、龍は翔馬の考えに不安要素があることを見抜いていた。それは、自分達以外の殺し屋に依頼するかもしれないという点であった。


 しかし、そこも翔馬とペガサスは計算済みだった。

 実はあの時、忍に叩き込んだ掌打は、以前雲雀にやった光のセレナーデの超強力版で、それをまともにくらった彼女は死ぬまで彼らに魅了されている状態になっている。そのため、絶対こちらを頼ってくるし、死獣神の活動を黙認してくれると、翔馬は確信していた。


 翔馬とペガサスの用意周到っぷりに、舌を巻き言葉を失う龍と雲雀。そんな3人のところに新たな殺人依頼が来た。

 早速、特捜5課からの依頼かと思われたが、送られてきたタイミングに差があり、内容はそれぞれ違っていた。

 それでも、依頼であることに変わりはない。3人は各々内容を確認して、その夜、仕事に向かった。


 闇に紛れて獲物を狩るこの世で最も汚れた仕事に…………

 翔馬は基本女好きですが、女性のストライクゾーンは低めな上、狭く、年齢は13~29歳まで。人のオンナや熟女はもちろん、警察や暴力団関係の女は論外で、暴力的な女性はタイプではありません。

 つまり、35歳の忍は翔馬にとって最も嫌いなタイプの女性で、彼やペガサスにとっては、ただの利用するだけの相手、ということになります。

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