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死獣神~血の書~  作者: 天馬光
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殺し屋 青龍 (2)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。

 校区内の廃倉庫に連れ込んだ男子生徒達は、芹を取り囲み、朝の仕返しと称して、彼女に暴行を加えた。

 1人の少女に対してこの仕打ち、どんな理由があろうと許されない最低で外道な行為である。


 そんな非道な行為が休憩をはさみながら続けられ、日も沈みかけた午後6時半頃。薄暗くなった倉庫の中で、芹は骨折するほどボロボロになり、心にも深い傷を負った。もはや立ち上がることもできないし、生気も失われつつあった。

 それでもなお、生徒らの気は済んでいなかった。


「さーて、んじゃ、そろそろラストといきますか! ま、これで死んじまったら、あの殺人鬼みたいにすっか。そうすりゃ、奴の犯行ってことで怪しまれねぇだろ」


「ちげぇねぇ!」

 そう言い、下卑た笑いを浮かべる彼らの足下で這いつくばっている芹は、己の人生を諦めかけた。


 と、その時、1人の男子の首にロープぐらいの太さの金属線が巻かれた。突然巻かれた物に戸惑う彼らに、出口の方から、


「まったく失礼だね。人を殺人鬼みたいに」

 と、声が聞こえた。次の瞬間、金属線は勢いよく引っ張られ、それを巻かれていた男子の首は宙に飛び、地に落ちた。

 仲間の惨たらしい姿に生徒らが動揺し、その方向を見ると、青い髪を逆立たせ、左目の下と左の瞳に東洋の龍のような紋章を浮かべた男が、手に血塗れの金属線を持って立っていた。

 その凶器と姿を見た男子達は、恐怖で身震いを起こした。なぜなら、その存在を例のサイトと共に噂で聞いていたからである


「ま、まさか……てめぇは!」


「そう。僕が『青龍の逆鱗』の管理者であり、殺し屋の青龍だ」

 青龍がそう名乗ると、芹は助かったと一瞬ほっとしたが、彼の威圧感に圧された。


「彼女から依頼があってね。本来60万かかるところを半額でやっている。つまり、君達1人あたり5万ってとこだ」

 軽く見積もられた自分の命に男子達は怒りを露わにした。が、青龍は、淡々としつつも狂気に満ちた目で、


「よく言うね。彼女にこんなことをして、命の大切さがわかっていない君達にそれを主張する権利があるとでも? そういうわけだからー、みーんなまとめて殺してあげるよ」

 と、言って高笑いした。

 思春期の少年相手といえども容赦はしない。それがプロの殺し屋というものです。

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