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死獣神~血の書~  作者: 天馬光
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死獣神vs警察の犬(1)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。

 平成17年5月25日午前9時頃。大阪府警本部に1人の女が、派手なスポーツカーに乗って出勤してきた。

 彼女の名は犬飼忍(いぬかいしのぶ)。特捜5課のトップを務める警視である。

 出勤してすぐ、部下から大阪府警本部長に呼ばれていると報告を受けた忍は、彼がいる本部長室にすぐさま向かった。


 部屋に入ると、本部長は挨拶をそこそこに、血が付着した超小型カメラを取り出し、机に置いた。


「これは君の課の者が装着しているカメラだね? 確か、装着者が致命傷を負うと、シャッターが切られるという仕掛けが施された代物だと聞いているが」


 頷く忍はすぐに悟った。部下が何者かにやられたと。


「……誰が付けていたんですか?」

 そう尋ねられた本部長が、苦々しい顔で乾の名を出すと、忍は愕然とした。

 近い内に警部補に昇進するはずだった有望な部下の突然の死を知らされれば、こうなるのも無理はない。


 それでも彼女は人前では毅然としていたが、本部長から乾の遺体が霊安室で眠っていることを聞かされ、そこで変わり果てた彼の姿を前にすると、堪えていた涙を流し、号泣した。


 そんな彼女の元に、2人の部下がそっと歩み寄った。彼らの存在を感じた忍は悲しみを怒りに変えて、


「……犬神(いぬがみ)犬塚(いぬづか)! すぐにカメラを解析して、乾を殺した奴をみつけだして殺せ! 場合によっては私も行く!」


 命令を受けて作業に向かう右腕達の背を見送る忍の目には、並々ならない殺意が宿っていた。

 特捜5課は正義の番犬であれという理念から、ケルベロスという異名を持っています。

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