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死獣神~血の書~  作者: 天馬光
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我らは死獣神(3)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。

 人より優れた身体能力を持つはずのペガサスがやられたことに青龍と朱雀が動揺していると、乾は勢いそのままに、今度は青龍に狙いを定めた。

 これ以上勢いづかせるわけにはいかないと思った青龍は、彼を刀ごとロープカッターでぐるぐる巻きにして、得意の輪切りをしようとした。

 だが、彼の力は予想以上に強く、刀を強引に振り下ろして、鋼のロープとも言えるロープカッターを切り裂いた。


「嘘!?」


「終わりだ! 死ねぇっ!」

 得物を切られ、火炎放射器のみになった青龍の隙をつき、乾は渾身の一太刀を浴びせようとした。


 しかし、その刃は青龍に届かなかった。青龍に気を取られた乾の背後から、朱雀が鉄針を3発くらわせたからである。

 不意打ちされた乾は逆上し、朱雀に狙いを変え斬りかかったが、彼女はその太刀をニードル発射装置を盾にして止め、がら空きになった懐に小刀トンファーを突き刺した。

 心臓を貫かれた乾がその場で倒れ、絶命したのを確認した朱雀と青龍はほっとし、どっと疲れが出た。


「ありがとう。朱雀」


「どういたしまして。にしてもこいつ、なんちゅー強さや」

 確かにそうだ。2人の得物を破壊する強靭な肉体。ペガサスの特性を熟知した上で用意された武器。どれをとっても暴力団の一幹部とは思えない圧倒的強さを彼は持っていた。


 そのことで青龍らが困惑していると、ペガサスが天国原産の果物・エージェルを食べて、光の力を回復させながら2人に歩み寄った。


「その男のシャツの、裏を探ってごらん」

 何かを知ってるであろうペガサスにそう言われて探してみると、小刀トンファーで切られ、血がベットリと付いていたが、とんでもない物がみつかった。

 それはなんと、警察手帳だった。


「……てことは、この人……」


「そう。彼は公安と警察が合同で設立し、潜入捜査はもちろん、必要であれば法律違反者をその場で殺害することも認められている部署・特別捜査5課の捜査官、乾刑事だ」

 乾の正体が刑事と知り、青龍と朱雀は仰天した。


「それならそうと早よ言えや! せやったら……」


「『生かしてた』とでも言う気? そんなことしたら僕ら全員顔を知られて御用だよ」

 ペガサスに正論を言われて、朱雀はぐうの音も出なかった。


「とはいえ、これを知れば特捜5課は必ず僕らに牙を剥くだろう。やれやれ。まさか死獣神のデビュー戦が、こんな波乱に満ちたものになるとはね」

 そう言うペガサスの側で、2人はこれまで感じたことのないような、とてつもない胸騒ぎを感じていた。


 そんな彼らの不安、そして予想はやがて現実となるのであった

 エージェルは天使が食べると光の力を回復させ、人間が食べると中にいる天使を覚醒させるか、天使を体内に引き込む効果があります。

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